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表Aside




扉の先は長い長い階段だった



目的地も高い塔だったから
もしかしたらこの先がゴールなのかもしれない



ゆーくんは、大丈夫だろうか



先に進んでいる私たちでさえ
崩れるのではないかと早々に移動しているのに
ゆーくんが無事のはずはないと
悪い考えばかりが浮かんでしまう




リ「神田、来ないね」



顔に出てたのか
リナリーは私を覗き込むようにして話しかけてきた



『ゆーくんは強いから
大丈夫ってわかってはいるんだけどね、、、』




ゆーくんは強い


強い、、、けど



ノアを倒せたとしても
もし崩壊に巻き込まれていたら?



戦闘で扉が壊されていたら?



ゆーくんの強さだけではどうにもできないことが
起こっていたらどうしよう



先に進むか、残るのか
それを決めているとき、私は無関係を貫いていたくせに
いざゆーくんが来ないと不安で仕方ない




リ「Aは、教団に入った当初から
神田とは仲良かったよね」



『AKUMAに町が襲われて
私を残したまま親だけ逃げちゃって
どうすればいいのかわからなかった私を
最初に見つけてくれたのは、ゆーくんだったから』




ゆーくんは任務でしたことだから
もしかしたらもう忘れてるかもしれないけど



親から2年もの間
まともな愛情も、言葉さえもなかった私にとって
不愛想で表情筋が死んでたゆーくんでも
話しかけて返事が返ってくる、それだけでうれしかった



教団に入ってからも
時々気にかけてくれてるかのように
ゆーくんから話しかけてくれるのはうれしくて



途中から記憶がないから
ここ数年のことはわからないけど
それでも、記憶がある部分だけでは
私はゆーくんにとっても感謝してる



言葉にしたことはないし
今更言うのは恥ずかしいから言わないけど





ラ「へぇ〜、Aってティエドール部隊に
エクソシストとして拾われたって事か」



どうやらみんな聞き耳を立てていたらしい
クロウリーは私をおんぶしてくれてるから
どうやっても聞こえてしまうだろうけど




ア「娘を置いて逃げたって
Aの両親とはその後会えたんですか?」




『ゆーくんとマリとデイシャ、それにファインダーの人たちが
町の生存者を広場に集めてたんだけど
結局最後まで会えなかった

たぶん逃げてる最中にAKUMAに殺されたんだと思う

父は医者で母は看護師だったから
生きてたなら真っ先に広場に居たはずだしね』




お墓も作らずに教団に行ったけど
薄情、、、だったかな、、、?







.

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作者名:ゆーな | 作成日時:2020年12月7日 15時

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