私の居場所【D.Gray-man】3

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暗い暗い闇の中



膝を抱えて蹲るAの前に
私も座り込んだ




『さっきの話、聞いてた？』



『うん』



『どう思った？』



『どうって、、、』




Aの記憶はちぐはぐだ



それは私のせいなんだけど



両親のことはもちろん覚えてる
でも入団して数か月後、3人に会ってすぐくらいから
あの衝撃的な出来事の手前までの記憶が全くない



一番消し去りたかったあの出来事が残っていたのは
私自身もかなり驚いた



そこさえ消えていれば他が消えていなくても
まぁいいかと思えたのに



『今聞いてたAの過去の話も
私と入れ替わって目を覚ませば忘れてる

Aはきっとすごく驚くと思うけど神田に頼んでたから
何とかしてくれると思う』



私は何も忘れることなく覚えてられるのに
なんでAが忘れてしまうのかはわからない



でもそれがわかってるから
Aが聞いているとわかっていて
神田に過去の話をした




『Aは、、、私の存在も忘れてしまうけど
何かあれば、私が変わるから
だから、、、がんばって、、、』




自分の存在を忘れてしまう
それ自体は仕方がないし、そのほうがAはきっと
自分自身の力で頑張るからいい


でも、、、やっぱり少し悲しい



いくら私が、Aのためにといろいろしてあげても
Aがそれを覚えていることはないんだから




そしていずれ
Aが元気に、前向きになれたら
私は誰にも知られることなく消えてしまう




私、報われないじゃん



だからと言って
Aがこのままなのはなぜかいやだから
他に選択肢なんかないわけで




本当、、、私
Aにだけは優しいわ、、、



明日からのことを考えて不安になるのは
Aだけじゃなくて、私もだ



すぐに私が交代、、、なんてことに
ならないといいんだけど



神田は、、、ともかくとして
マリやティエドール元帥がAを不安にさせるような
言動はしないはずだから



多分、、、きっと大丈夫だと思いたい





言葉数の少ないAと時折話をしながら
私たちは朝が来るのを待った









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