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表Aside
光も届かないような真っ暗な中
私はただ佇んでいた
暗いせいで何も見えないのか
本当に先が何もないのか
それさえも何もわからない
普通なら
そんな場所怖くて仕方がないはずなのに
全く怖いなんて思わなくて
むしろ何処よりも安心できる
最近人間関係めちゃくちゃだから
とうとうひとりが楽になってしまったのかもしれない
『ずっとここにいる方が
みんなは喜んでくれそうね』
ファインダーのみんなも
私のせいでケガが絶えないウィルたちも
私がここに籠っていれば
心穏やかに過ごせるに違いない
_____ここに居たい?
何処からか聞こえた言葉
さっきまで誰もいなかったはずなのにと
辺りをきょろきょろしてみると
私の背後に誰かが佇んでいた
周りの闇よりもさらに黒い、、、ヒト
でも不思議と怖くない
『ここは、誰にも迷惑かけないから』
_____迷惑をかけるとダメなの?
『悲しくなるでしょう?』
_____わからないわ
黒いヒトは不思議な雰囲気を持っていた
ヒトの形を模ってはいても
まるで生まれたばかりのように感情が感じられなくて
それでも理解をしようとしているような
これで表情が分かれば
もっと仲良くなれそうなのに
黒いせいでのっぺらぼうのように
表情も顔もわからない
_____ここにいて、Aは寂しくならない?
『どうだろう、、、きっといずれ寂しくなるのかもね』
_____帰りたいと思うまで、私が変わってあげようか?
『、、、魅力的な提案だけど、ダメ。貴女に迷惑がかかるわ』
それが本心だったのか
黒いヒトに行った後、心に引っかかった
迷惑がかかるから?
本当に?
なんだかんだで私はまだあの日常にいることで
何か希望にすがっているのではないのか
希望なんてもう何度も
潰れてしまったというのに
_____私はずっとここに居るから、何かあったらまた来ればいいわ
『ずっと、、、?』
_____えぇ、ずっと
『寂しくない?』
_____寂しくないわ。だって私は、、、、、
そこで、急に意識が遠のき始めた
そのせいで最後の言葉が聞こえない
もう一度聞きたくて話しかけようとしたけど
口を開こうとしたときには、もうすでに私の意識は途切れてしまった
.
『何か、変な夢を見た気がする、、、、』
目覚めた私は、何も覚えていなかった
.
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作者名:ゆーな | 作成日時:2020年8月4日 17時