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表Aside
私は医院の手伝いをさせてくれなくなった
最初は訳が分からずに駄々をこねた
私にとって医院の手伝いは
とても楽しくて、遣り甲斐のあるものだったからだ
父「ここは俺の医院だ！
娘に取られてたまるかっ！」
私が取る？
何を？？
父の言っていることがわからなかった
私は父と母の手伝いがしたいだけで
何かを取ったりするつもりなどなかったからだ
母「気味が悪いわ！」
母は大事にしていたネックレスを
私に押し付けた
ネックレスが特別だから妙な力が使えるのか
私が妙なのかわからなかった母は
私を毛嫌いした
とはいっても
元々2人とも医療従事者
私に危害を加えたりネグレクトするようなことはなかった
ただ、、、、私は家から出してもらえなくなった
食事は貰えても
毛嫌いしている母と共に食事をとれるわけもなく
私はひとり、部屋で食事をとるようになった
寂しかった
でも大丈夫だと
自分に言い聞かせた
世の中には親を知らず
その日その日の食事さえままならない人が居る
だから私は恵まれている
そう思ったら
寂しいけど、涙は出なかった
そんな生活が続いて12歳になったころ
AKUMAの大群が街を襲った
私は家から出してもらえなかっから
自分の部屋の窓から
大きな丸い塊が建物を破壊して人を襲っているのを見た
怖くて今すぐ逃げ出したかったけど
きっと両親がここに来てくれる
「早く逃げよう」
そう言って私の手を掴んでくれる
そんな淡い期待を込めて
私は部屋から出なかった
結果的に
そのおかげで私は死なずに済んだのだけど
いつの間にか塊は居なくなって
外が静かになった後
心配になって
私はそろっと部屋を出た
怒られるからとずっと行くことのできなかった1階の医院へ
階段を使って降りていくと
そこには誰も居なかった
両親どころか、患者も
医院の玄関のドアは開いていて
どうやらみんな外に逃げ出したようだった
私、、、置いていかれた、、、、？
きっと迎えが来てくれると
ひとり、部屋で待っていた私にとって
それは今までで一番ショックなことだった
置いていかれた
それはつまり
私は捨てられたのだと
捨てることになんの躊躇もない
救う選択肢もない存在だったのだと
両親が冷たくなってから2年
私は初めて声を上げて泣いた
.
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作者名：ゆーな | 作成日時：2020年8月4日 17時
