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闇が
光を食らいつくすのではないかってくらい
濃くなっていた
部屋に戻ったAは泣くこともなく
ベッドに座ったまま抜け殻のように動かない
私が、、、Aの気持ちが落ち着くまで
入れ替わった方がいいのではないか
そんな風に思えるほど
今のAはもう壊れる寸前だ
何か後少しでも
Aの心を傷つけるようなことがあれば
今必死に形を保っている心が
粉々に砕けてしまう
どうにかしないといけない
でも何を、、、?
せっかくの最後のウィルたちとの任務に
私が出しゃばっていいわけがない
でも何とかしないと
Aは光で私は影
そのはずなのに
最近はそれがあいまいに感じるほど
Aの感情は黒くドロドロとしていて
何もできないのが
歯がゆくて仕方がない
______A、、、、
Aは私を自覚していない
だから私がいくら名前を呼んだって
Aは答えてはくれない
自覚してくれれば
私がたくさんたくさん話を聞いて、大丈夫って
言ってあげられるのに
お願いだから壊れないで
私がそばにずっといるから
誰もいなくなったとしても
私だけはずっとそばにいるから
だから
だから
お願いだから
悲しいときくらい
泣いて
A
『、、、、、、、私が、、、なにしたって言うの、、、、』
『私はただ、、、必死に頑張ってただけじゃない、、、、』
『好きで戦わないわけじゃないのに、、、』
『イノセンスを壊してファインダーになれば
私も仲間になれるのかなぁ、、、』
誰もいない自室で
ポツリポツリとAの口から漏れ出る言葉は
とてもか細くて弱くて
今ここで
Aの言葉に優しく返答をしてくれる相手がいれば
救われていたんだろう
今ここで
誰かに崩れそうな心を
優しく包んでくれるような相手がいたなら
最悪の結果になることはなかったはずだ
でもそこまで追い詰められていることなど
無力な私以外知る人なんていない
誰も思いもしなかったはずだ
任務に出かけて数日後
ウィルたち3人が死ぬことも
その時Aがイノセンスを暴走させることも
その出来事によって
Aが2年以上眠り続けて
私になってしまっていることも
想像できなかっただろう
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作者名:ゆーな | 作成日時:2020年8月4日 17時