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お礼に、と未開封のタバコを投げてやると後輩は嬉しそうにあざーす！と言って喫煙所を出ていった。
さて、真新しいスマホを片手に戸惑いながらもインスタグラムを開いてみる。
まずは、マーコのページを探すところからだ。
そういえば、ハッシュタグがどうとか言っていたなと思い出し検索サイトを駆使しながらようやく見つけ出した。
今日も、相変わらず職場の上司を写真に収めてアップしているらしい。
デスクで饅頭を頬張る初老の写真が、お洒落な女の子たちの中に混じっていて笑えてくる。
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maako_desuyo #今日のコーデ エイジくんお気に入りの饅頭
そんな投稿に、自然と顔がニヤける。
さて、いいねの数が増えているとマーコは喜ぶだろうかそんなことを思いながらダブルタップをした。
次の日
ー喫茶ミシェルにてー
「みて！タロさん！！昨日の写真、いいね4つだよ！！」
自慢げに画面を見せつけてくるマーコに、ついつい頬が緩んだ。
思った通りの反応だ。
「饅頭ブームでも来てんのか？」
「そうかもー！！」
るんるん、と言い出しそうなほどに楽しそうなマーコを見てタロウは満足げにタバコを咥えた。
「タロウー！コーヒー入ったから取りに来てくれー。」
店内から声がかかり、タロウは席を立った。
その後ろ姿をみて、マーコはふふっと笑った。
カウンター越しにマスターと話すタロウ。
何を話しているのかは聞こえないが、なにやら楽しそうだ。マスターもいい笑顔で話している。
マーコはそんなふたりにカメラを向けた。
「ほら、マスターがお前にって。」
「チョコレート！」
大きな口で、大好きなチョコレートを頬張るマーコ。
その様子を、微笑ましく見つめるタロウ。
店内では、常連とマスターがこんなことを話していた。
「マスター、あの2人。」
「ん？」
「いつになったらくっつくんだろうねぇ。」
「ハハハ！当分無理だろうねぇ。2人とも素直じゃない上に鈍感だから。ま、楽しく見守ってやろうや。」
「コーヒーのお供にはちょうどいいか。」
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作者名：サリー | 作成日時：2020年10月14日 17時
