5話 ページ6
私は観音坂さんが中に入ったのを確認し、扉を閉めた。
コツコツとヒールの音を響かせながら私は観音坂さんに質問をした。
「────コーヒーと紅茶どちらがいいですか?」
「…っえ? あ、じゃあ、コーヒーで…」
…と、オドオドしながら答えてくれた。
「分かりました。コーヒーですね」
「今準備するのでそこのソファーに座ってて下さい」
「はい…すみませんわざわざ。」
「……いぇ」
ホントに不思議な人。
そんなことを思いながら、私はやかん水を入れた。
「観音坂さんはブラックコーヒー好きですか?」
「え?」
「嫌いではないですけど、少し苦いですね…」
と、顔をしかめた。
「そうなんですか。私はブラックコーヒーが好きです。」
「コーヒーのそのままの味、というか…」
「…分かります。ブラックコーヒーを飲むとそのままの味を味わえるというか…なんというか…」
「ですよね!」
私は嬉しくなり、微笑んだ。
すると、やかんからヒューヒューと音がなってカチと止めた。
マグカップを2つ用意をしてお湯をトポポポポと注いだ。
そしてコーヒーの粉末が入ってるビンを開け、スプーンで粉末すくい、マグカップの中に入れた。
粉末が溶けるまでちゃんと溶かし、コーヒーを観音坂さんの目の前の机にコト...と置いた。
「……さて、本題に入りますか」
「はい……」
「…どのような症状ですか?」
「えっと…頭が痛くて、吐き気がして、喉が痛いです…」
「分かりました。直ぐにお薬出しますね」
「! ありがとうございます」
「いぇ、少しお待ちください…」
「はい!」
先程とは違い、ハリがあるような返事だった。
数分後────
「お待たせしてすみません、薬準備出来ました」
「!!ありがとうございます」
私は薬を紙袋に入れ、観音坂さんに渡した。
「……あの、少し俺の話を聞いてもらっていいですか?」
!!
驚いた。まさか観音坂さんからお誘いをするなんて…
私は特に断る理由もないのではい、と返事をした。
すると観音坂さんは笑顔だった。
ドウシテ、ソンナカオスルノ?
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作者名:リン | 作成日時:2018年12月31日 2時