Story_25 ページ28
ホテルを出て、日に当たる。
久しぶりの日光に思わず気分が高まった。
｢暖かい…｣
ボソリと呟けば、またしてもヒソカがこちらを見ていた。
｢外出くらい言ってくれれば良かったのに♧
僕がしっかりエスコートしてあげるよ♢｣
｢ヒソカはすぐに問題を起こすだろ｣
…着けられている相手にもし私に、ヒソカに…何かあったら。あってしまったら。
そう考えれば自然と私は外に出なくなっていった。
ヒソカにはこれでも、奴から匿ってもらっている身なのだ。
あのストーカーがもし旅団員…ましてやクロロなんて男なら、とんでもない事態になってしまう。
それだけは避けたかった。
｢じゃあ僕はここまで♤
向こうで待ってるからね、A♡｣
｢あぁ。気をつけて｣
そう一言言って無意識に手を振れば、手首を掴まれる。
そして、彼は私の掌へ唇を落とした。
｢ち、調子に乗るな馬鹿…！！｣
｢お守りだよ♧｣
｢何言って…ッ……居ない…？｣
周りを見渡しても、彼の姿は無かった。
掌を見たがやはり何も無い。
お守り、とはどういう意味なのだろうか。
…彼は時々、意味のわからないことをするのだ。
それは全て形の残らないものばかり。
今のように軽いキスをしたかと思えば、抱き寄せることもある。
私は毎度拒んだが、彼は嫌な顔一つせず続けた。
ここまでくると、一種のセクハラではないだろうか。
そう考えると腹が立って、少し殺意が湧く。
…とりあえず、定食屋に向かおう。
その思いとは反対に、とある店を見つけて留まる。
｢…武器屋、か｣
思い返せば私は、殆ど戦闘を行わず、特に武器など使ったことがなかった。
センスがあるとは言われても、取っ組み合いをする気はさらさら無い。
そしてヒソカは体術が主な戦闘方法だから、今までほぼ組手しかした事がないのだ。
…備えあれば、憂いなし。とよく言うだろう。
この機会に一つだけ、武器を見てみることにした。
重たい扉を押せばギィ、と軋んだ音が響く。
中に入ればアンティーク風な雰囲気で、武器が壁一面に置いてあった。
店内を歩きながら私は一つ、武器を手にする。
重みのあるダガーナイフだ。
ナイフにしては中々の重厚感で、手応えを感じる。
…しかし、これくらいが私には良い気がした。
こいつにしよう。
そう思い私は店を後にした。
……
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のばら(プロフ) - 名無しさん» いえいえ。これからも応援してます！頑張ってください。 (2018年7月2日 18時) (
レス) id: efdbc48396 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - のばらさん» 初めまして、コメントありがとうございます。先程表記ミスの話を修正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2018年7月2日 1時) (レス) id: 3c8a0d7009 (このIDを非表示/違反報告)
のばら(プロフ) - 初めまして。この作品とても面白いです。けど、途中からマオちゃんの名前が(美少女)という風に表示されていて、直して欲しいなって思っています(･_･; (2018年7月1日 21時) (レス) id: efdbc48396 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2018年4月12日 1時
