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及川side
・
ウチの学校は所詮進学校と呼ばれるもので、
「はいじゃあ教科書30ページの…」
始業式の次の日からもう通常授業が始まった
眠るわけにもいかないのでとりあえず真面目に話を聞く
チラリと隣を見ると、
何かを真剣にメモ用紙に書いているA
目を凝らして見るとなんだか英語?のような文字
「どうかした?及川」
俺の視線に気づいたようでこちらを向く
及「ううん、何語かなーって」
そう聞くと、ああと答えてくれる
「フランス語、今後必要になるからさ」
サラッと答えるAに驚いていたら
「でも私他に4カ国語話せるんだ。凄いでしょ」
なんて言うから、
及「えっ!本当!?凄すぎ!」
少し興奮して大きい声で話してしまった
「及川くーん、授業聞いてるのかなー?」
及「あっ、えと…」
「ここの問題解きなさい」
はいっ!と短く返事をして黒板を眺める
えまって、むず…分かんないよこんなの…
すると隣から聞こえてくるクスクスという笑い声
「及川、あれ4番だよ」
特に問題も見ずにそう言ったAを少し疑いながらも解答する
及「4番、です」
何秒か目が合った先生に少しドキリとした
「正解ねー、これからはちゃんと聞いておくことー」
見逃されたことと、解答が合っていたことにホッとして、今度は小さい声で話しかけた。
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作者名:櫻もち | 作成日時:2020年1月10日 0時