ヒーローなんて。

26話 ページ28

Asaid



翌日、私は朝早くから起きた



桜が起きてると面倒くさいから起きる前に
家を出ようと思って



玄関で靴を履いていると



母｢おはよう｣

『!?母さん、寝ててよかったのに』

母｢いいのよ、可愛い娘の見送りくらいさせてちょうだい｣

『…好きにすれば』


母さんに朝早くから起きる事は言っていたけど
見送りいらないって言ったのに…



キャリーケースを玄関におろしドアを開ける



いつもならまだ寝ている時間



外はまだ暗かった


母｢行ってらっしゃい、頑張ってね｣

『うん、母さんも体には気をつけてね』

母｢えぇ、Aもね｣

『じゃ、行ってきます』


私はガラガラとキャリーケースを引きづりながら
首に着けていたヘッドホンを耳まで上げる



適当に曲を決めて駅に向かう



…前から誰か走ってくるな



こんな朝からランニングとか尊敬だわ



私も向こうでは走ったりしようかな



走ってくる人の足音が大きくなってきたので
私は端による



すれ違うってところで向こうの人が足を止めた



…誰だ？



暗くて顔が見にくい



向こうがクルッとこっちに向いたと思ったら
私の方へ進んでくる



私は面倒臭いことはヤダなと思い
気づいてないふりをしてさっきと同じ様に
駅へと足を進める



そしてちょびっとだけ曲の音量をあげた

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