3話 ページ34
レックイーンは緑が基調になっている怪物に姿を変えて私の拳を止めてきた。
すかさずその手を蹴り飛ばして、よろけたところに回し蹴りを食らわす。
勝てるかも、そう思った瞬間横からエボルトに殴られた。
「エボルドライバーに適合できているところは褒めてやるが、俺達には勝てない!」
2対1、完全に不利だ。
なんとか対応しようとしたが、2人に高速攻撃を決められ強制変身解除した。
「A!!」
全員やられてしまって絶体絶命。
生身の姿になっても、エボルトとレックイーンは向かってくる。
「さて、どいつから消すか?」
レックイーンは私の顎に指を添えて顔を上げさせた。
狂気じみたその笑みを目に捉えて、ゾクッと恐怖を感じる。
その時、レックイーンの体に銃弾が飛んできて火花が散った。
銃弾が飛んできた方向に目を向ける。
『内海さん!』
「ここは撤退しますよ」
内海さんはネビュラスチームガンから煙を放出させて私達をエボルト達の前から消した。
戦兎達の家を目の前まで戻ってきた時、地面が揺れてその場にしゃがんだ。
家から紗羽さんと美空が飛び出してくる。
「何この揺れ!?」
地響きがして、私達の目に忌々しい塔が飛び込んできた。
エボルトがパンドラボックスを開けたんだ。
「ねぇ何が起きてるの?」
「エボルトが戻ってきたんだ」
「それも、新たな仲間を連れて」
一海と戦兎はパンドラタワーを見ながらそう言った。
揺れが収まって、やっと家に帰る。
『レックイーン…エボルドライバーがある分エボルトの方が強いけど、あの仲間も厄介だよね』
「それに俺達は変身出来るようになったとはいえ、旧世界の時よりハザードレベルは低い。勝つのは相当厳しいな」
「エボルトも力を蓄えてきてる。前より強くなってるぞ」
戦兎や龍我は前のダウンフォール戦で一度力を奪い取られているし、私達は新世界に来たせいでハザードレベルがリセットされていた。
「どうすんだよ、このまま黙って見てらんねぇだろ」
戦兎は険しい目をしながら私を見てきた。
「さっきの戦いでAはエボルトと互角に戦えていた、きっとエボルドライバーと適合したからだ。エボルドライバーを使えばエボルトを倒せるかもしれない」
『じゃあ…』
「エボルドライバーに適した強化アイテムを作る」
強化アイテム、その言葉が出たのにあんまり気分が高ぶらない。
やっぱり平和が一番なんだと実感した。
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作者名:Non | 作成日時:2020年8月8日 18時