【あんスタ】白い光の中で IV《七種茨》 (ページ10)

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episode97 ページ10

ｺﾄｯ

茨「…少しは落ち着きましたか？」

『うん……ありがとう』

家に戻る頃には涙は止まっていて
けれど、心に空いた穴は縮まらなくて

『(苦しい……)』

辺りにはコーヒーの匂いが漂って
お互い沈黙が続いて

このまま時間がただ過ぎていくだけなのかな
なんて思っていた時──、

茨「いつでも…待っていますから」

『ぇ？』

茨「頼っていいんですよ、いつでも。」

静かな空間に響く彼の声は
いつもより優しくて

『頼る、か……』

茨「Aさんは、ご自身がどれだけ周りに愛されているか…ご存じないようなので」

『何それﾌｯ……でも、そっか。』

幸せになれない、なる資格はないと
ずっと思い続けてきたけど

『私の周りには…愛が溢れてたんだね、、』

頼って欲しいと思い、想われ
他人の為に悲しんで、喜んで

苦しい時は手を伸ばして、手を取って
歩けない時は肩を支えて

『大丈夫……私達はちゃんと、お互いが大好きだったよ』

嫌いなんて言葉を吐いても
言葉にならないほどの想いが溢れるほどに

"イ「ご自身が幸せかどうか、もう一度考えてみてください」"

あぁ、本当に