第七話 忘れ物 ページ9
Aside
『愁が忘れ物なんて珍しいね』
愁「そうだね」
『大した持ち物無かったと思うけど…?』
愁「…本当は態と置いて来たから忘れ物ではないかな」
『そうなの?なんで?』
愁「行けばわかるさ」
殆ど人がいない校舎を二人で歩くのは、少しだけドキドキする。
歩幅の合わないため、私は早歩きで愁について行く。
すると、さり気なく歩くスピードを遅くしてくれる。お前はナチュラルイケメンか!!?←
愁「そういえば、朔晦とは何か話した?」
『え?いや、特には・・・』
愁「そうか」
『あ、でも一つだけ。詩音と私が同じクラスって何で教えてくれなかったの?』
愁「あぁ。あれは、Aが驚くかなって思ったからだよ」
______________________________
愁side
朔晦と同じクラスだとAに伝えなかったのは、単に言いたくなかったからだ。もし言ったら、Aは喜んだだろう。でも、俺はその笑顔を喜べない気がした。
Aの笑顔が見られればそれでいい。そう思っていた筈なのに・・・自分の心の狭さに心底嫌気がさす。
『愁の席、此処なんだ』
愁「そうだよ」
窓側から4列目、後ろから2番目。此処が俺の席だ。
『同じクラスになってたら、隣だった』
愁「そうなんだ」
俺はロッカーへ行き、ある物を取り出す。
桃色の包装に黄色のリボン。
愁「A」
『何?』
愁「こっちに来て」
『?』
愁「・・・今日は何の日か、わかるかい?」
『えっと今日は、4月4日・・・!!』
そう。今日は、俺の大好きな_______________
愁「__________Aが生まれた日だ」
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作者名:i | 作成日時:2023年3月21日 22時