第四話 離れ離れ ページ6
愁side
クラス発表の掲示板でまず最初に俺の名前を見つけた。しかし、A組の欄にAの名前は無かった。直ぐ隣のB組の欄にAの名前を見つけ、そのすぐ下に中等部から仲の良い朔晦の名前もあった。
詩音「ごきげんよう、藤原君」
愁「…朔晦、おはよう。Aの事、一年間よろしく頼む」
詩音「勿論。・・・私とAが同じクラスだからって嫉妬しないでよね〜」
そう言って朔晦は校舎へと向かって行った。
朔晦とは仲が良いわけでは無いが、俺たちの婚約を知っている唯一の人間だ。Aは彼女を信頼しているようだが、俺にはどうも敵意が向けられているように感じる。
人ごみを抜け、Aを探す。本人の前ではあまり言わないが、Aは背が低いからわかりやすい。偶に拗ねた顔が可愛くてつい揶揄いたくなる。
『・・・あ、愁!遅い!』
愁「すまない、待たせたね_____」
_________________________
愁「それじゃあA、放課後迎えに来るから待っててくれ」
『わかった…』
Aを送って行き、俺も自分のクラスへ行く。
?1「もしかして君、弓道部の藤原君?」
橙色の髪をしたよく似た男子生徒が二人。双子だろうか?
愁「そうだけど、君たちは?」
千「俺は菅原千一!こっちは…」
万「弟の万次!俺たち双子で、藤原君の射を見て桐先に来たんだ!」
俺の射を?ということは弓道経験者か。
それにしても、俺の射を見て桐先に来るなんて珍しいな…
愁「藤原愁だ。よろしく、千一君、万次君」
千「藤原君は何組だった?」
愁「A組だよ。君たちは?」
千「俺がA組で、万次がB組」
万「藤原君は千兄と一緒か〜」
愁「ところで、君たちは弓道部に入るの?」
千/万「「もちろん!」」
愁「そうか。では、放課後弓道場で」
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作者名:i | 作成日時:2023年3月21日 22時