これから一緒に (ページ6)

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桃side

赤「…さむい」

桃「寒いなぁ、ごめんな」

生憎小さい上着が無かったもんでなぁ。

桃「これはどう？」

赤「…！あったかい」

俺が着てたコートで包んでやった。

寒すぎて歪んだ顔にも、ニコニコが戻ってきた。

ここを曲がったら、だいきくんと出会った公園が。

赤「………あ」

桃「ん？どうしたん？」

赤「おかん…」

桃「えっ、あの人？」

公園の中にいた女性を見ながら頷いただいきくんの目は、あの日の怯えた目をしていた。

暫く見ていれば、ふと合った視線。

こちらへずんずん歩いて来て、

母「大毅。帰るわよ」

そう言った。

赤「え、いや、いたいっ、」

桃「ちょっと、一旦辞めて頂けますか？嫌がってますんで」

俺にしがみついてるだいきくんの腕を無理やり引っ張る母親に呆れた。

母「帰るわよ。拾ってくれてありがとうございました。ほら早く」

赤「嫌やっ、のんちゃ、」

桃「だいきくんのこと…！捨てたんですか？」

母「いいえ、別に捨てたわけでは。言う事を聞かないので外に出しただけです」

桃「昨日風呂に入れた時、背中に傷がありましたが、虐待なんかしていませんか？」

母「っ……あなたに関係ないでしょ」

赤「わっ……」

桃「だいきくん！」

母「失礼します」

力ずくで引っ張られていくだいきくん。

追いかけられなかった。

母親の鋭い視線が、俺を弱くさせたんや。

…ごめんだいきくん。守ってやれなくて。