お出かけ ページ5
桃side
赤「のんちゃん！」
桃「ぐぇ…」
朝っぱらからお腹にダイブしてきただいきくん。
時計を見ると、朝の7時。
桃「もう少し寝ようや」
赤「え〜。あっ、はなして！」
バタバタ暴れるから腕の中に閉じ込めてやる。
桃「暖かいやろ？」
赤「あったかいね。こんなにあったかいの、ぼく知らんかった」
寂しそうに笑うのは、きっと見放されてきたからやと思う。
桃「よし、もうちょっとだけ寝よう」
赤「ん、のんちゃ…」
あっという間にすやすや。
なんや。だいきくんも眠かったんやな。
桃「おやすみ」
赤「のんちゃーーん！！！！」
桃「ん〜、なんやねん」
バカでかい声で目を覚ますと、もう11時。
桃「えっ！9時には起きて買い物行こうと思ってたんに…」
赤「のんちゃん、お腹すいた！」
桃「はいはい、ちょっと待ってな」
買っておいたパンをだいきくんに渡して、食べてる間に自分の寝癖を直して、服を着替えて。
桃「あ、だいきくんの服……」
昨日着てた服とはいえ、半袖だし。ズボンはかろうじて長ズボンだったから良いけど…。
赤「のんちゃん、食べたけど足りひん」
桃「お、食べ終わったか。デパート着いたらちゃんと食べような」
他の服よりは多少小さいであろうヒートテックを着せて、その上にだいきくんが着ていた半袖を着さす。
………うん。でかいな。
桃「だいきくん、デパートで服買うから、今これで我慢してな？」
赤「うん！あったかいからこれすき」
桃「そっか。笑 ほんなら行こうか」
手を差し出したんやけど…
赤「のんちゃ、だっこ！」
桃「はいはい、おいで笑」
赤「わーい！」
ぎゅーっと抱き着いてくるだいきくんは、捨てられた子とは思えんほど可愛い。
桃「いってきまーす」
赤「なにそれ！」
桃「家を出る時、お家に向かっていってきますって言うんやで？」
赤「わかった！いってきます！」
ニコニコしとるだいきくんを見てふと思った。
だいきくんは嫌かもしれへんけど、このままだいきくんをうちで預かるのもあれやし、だいきくんの両親を聞き出さんとあかんな。
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作者名：ヨン | 作成日時：2021年12月16日 14時
