ありえない恋の話。

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「A....」


「、」




ゆっくりと緩んでいくソクジンの腕。




肩をそっと掴まれれば




これは....危険な距離。




「お願い、聞いてくれる....？」


「え...」




お願い...？




....想像してたのと違う展開。




恥ずかしい。




「....キス、させて？」


「...っ」




....違くなかった。




ていうかそういう言い方って
どうしたらいいのか困るんだけど。




「あ....もちろん、反省はしてるけど
さっきの光景が頭から離れなくて、」




だからってどうしてそういう、




「....したくなった」


「、」





やっぱり....ずるい。




そんなふうに言われたら、




「ダメ...？」




....どうしよう。




ていうかそもそも、




どうしよう、ってなんなの....？




ダメならダメ、




嫌なら嫌でしょ....？




どうしようって言ってる時点で




キスしてもいいって




頭のどこかで思ってるって事だよね....？




「A...？」




だけど、




キスしたら何かがわかるかも、
って思ってる私もいて




ものすごく




....心が揺れてる。




だって....手を繋いでも
何もわからなかったから。




「....そのお願い、」


「え...？」


「....聞いてもいいけど」


「え....いいの？」


「....うん、」




だって、私はヤッちゃった事すら覚えてない。




だから根本的に、




ソクジンとこういう事をするっていうのが
どういう気持ちなのかがわからない。




そしたら....




してみるしかなくない....？




出来るか、出来ないか。




嫌か....嫌じゃないか。




今日も若干とは言え酔ってるから




....出来ちゃうかも知れないけど。




「ホントにいいの....？」


「....しつこい」


「....ごめん、」


「、」




またしても謝ったソクジンは




意外にもあったかい手を私の頬に添えると




徐々に顔を近付けて来る。




....あ、ソクジンてまつげ長い。




鼻も高いし




....柔らかそうな、




ふっくらとした唇。




....たぶん、嫌じゃない。




私の為に少し屈んで




顔を傾けてくれて。




「...っ、」




いつまでも見つめてたら




伏し目がちなソクジンと目が合った。





だけどソクジンは微笑むでもなく






....そのまま、







目を伏せると包み込むように








私の唇を塞いだ。





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