ぬいぐるみ ページ30
「んあっ、Aちゃんおはようさん…♪」
『おはよう、みか』
翌朝、下駄箱にて靴を脱いでいると、私を見つけたみかに声をかけられた。
昨日のことを早速心配されたが、大丈夫だったと話すと安堵したように息を吐いた。
「おれ、心配だったんよ。Aちゃんに何かあったらどないしよ〜って」
『確かにちょっと危なかったけど、結局は無事に下校できたし大丈夫だよ』
「んああ!ほんま安心したわぁ」
ぱあっと周りに花を咲かせるみか。
話し方からもそうだけど、結構癒やしキャラだよね。
彼も私も人見知りなだけあって、最初は心を開くことが難しかったけど、打ち解けてからは向こうから話しかけてくれるようになったし。
「そや、Aちゃん
おれからプレゼントがあるんやけど…受け取ってくれる?」
そう言ってカバンをガサゴソとして取り出したのは可愛いクマのぬいぐるみ。
見たことないぬいぐるみだ。もしかして、彼が作ったのだろうか?それとも、私が知らないだけ…?
『それって、もしかして手作り…?』
「せやで。おれの手作り。Aちゃんに喜んでもらえたらええんやけど…」
『凄く嬉しい!ありがとう、みか』
そのぬいぐるみを受け取り、まじまじと見つめてみた。
とても可愛い。語彙力がなくてよく説明できないのが悔しいが、とにかく可愛いのだ。
『目、凄く綺麗…つやつやしてる』
「…!あ、あまり目は触らんでほしいわ、あとお腹も強く押さんといてな…?」
『あ!ごめんね。せっかく手作りなのに傷がついたりしちゃうか』
私は目のかわりに頭を撫でてみた。どうやら頭を撫でるのは大丈夫なようで、気に入ってもらえて嬉しいわぁと笑っていた。
にしても、さっきのみか、少し慌ててるように見えた。どうしたのかな。やっぱり傷つけられるのは嫌、とか…?
〜
そこからあっという間に放課後、今日はプレゼントされた以外特に目立った事もなかった。こういう日が毎日続けばいいんだけど……
下校中、広めの道路を真っ直ぐに歩いていると、さっきまで下を向いていたので気付かなかったが、顔を上げると案外近くの方に人が立っているのが見えた。
『げ…なんで茨いるの』
あの危険人物トップの七種茨がいた。
珍しく私服でスマホを見ながら佇んでいた。今右側の歩道にいるから左側に移動しようかな、そうしよう。
そう思い左側に移ろうとすると、なんとも最悪なタイミングで顔を上げ、バッチリ目があってしまった。
ああ、平穏なまま終わる日はないのか。
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アテネ - himeruさんを出してくれてありがとうございます (9月26日 7時) (レス) @page37 id: 26234630b7 (このIDを非表示/違反報告)
苺 - いつも作品見させてもらってます!リクエストなんですが、良かったら逆先夏目くんを出して欲しいです!更新頑張ってください! (8月30日 21時) (レス) id: 69411785f6 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー - めちゃくちゃ好きなお話です!リクエストなんですがこはくくんと一彩くんを出して欲しいです! (8月30日 19時) (レス) id: f530bd8429 (このIDを非表示/違反報告)
星空(プロフ) - アテネさん» コメントありがとうございます!了解しました〜!少々お待ちを…! (8月29日 17時) (レス) id: 1b249669ed (このIDを非表示/違反報告)
アテネ - himeruさんを出してください (8月28日 16時) (レス) @page10 id: 26234630b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星空 | 作成日時:2022年2月5日 9時