放浪者とお嬢様とウェンティ先生 ページ10
『失礼致しますわ』
職員室に入るなり、こちらを見て少し顔を曇らせる教師たち。
しかし、それが悟られないように直ぐに笑顔を浮かべた。
さしずめ、ルミアに失礼なことをしたらルミアの父親に言いつけてクビにさせるわよ的なことを言ったのだろう。
とことんどうしようもないお嬢様である。
放浪者「……」
『ほら、えーっと……貴方から要件を話すのですわ』((コソッ
放浪者「嫌だね」
『なっ……私も無理ですわよ……!』((コソッ
?「おや?君たちが今日は日直なのかい?それなら、明日は槍でも降るのかな?」
2人でどちらが要件を話すかを迷っていると、その雰囲気とは似つかない声が聞こえる。
振り返るとそこにいたのは、黒い髪を先の方で三つ編みをしたとても若々しい人だった。
放浪者「槍だなんて。僕達は仕事を全うしてるだけですよ?ウェンティ先生」
彼のその一言で私もようやく目の前の人が、自分の担任であることに気づいた。、
ウェンティ「まぁ、何はともあれ取りに来てくれてありがとう、君たち!じゃ、今日の日直の仕事は〜」
そう告げられた内容に、放浪者君もそして私自身も顔が引き攣ってい行くのがわかった。
ウェンティ「それじゃあ、今日1日よろしくね♪」
職員室を後にする。
放浪者「………」
『…………』
こんな…こんな……
放浪者「日直の仕事っこんなんじゃないよね?あのバカ担任。ただ溜まってた仕事を生徒に押し付けてよね?ありえないんだけど」
え、ちょ、A、あのちゃんちゃら先生にまで手を出そうとしてたの?
頭沸いてるの?
え?
ふつふつと湧き上がるこの感情を抑えていると、ガチャりと職員室の扉がまた開いた。
ウェンティ「放課後の教室掃除も追加ね!」
バタンと閉まる。
堪忍袋の緒がプツリと切れたのを感じた。
『はぁぁぁぁ!?
いい加減にしろや!このちゃらッティさんよ!
仕事丸投げして生徒に押し付けてぇ……』
放浪者「は?」
『やってやんよぉ!完璧によぉ!
黒板消し、日誌書き、ゴミ出し、図書館の本の整理、学級文庫の入れ替え、教室の掃除からワックスがけ、提示版の張り替え、中庭の掃除!!
まかせろっでぃ!』
放浪者「ちょっとA?」
『え?何?放浪者…………
あ』
放浪者「君……」
A……今期最大のピンチかも?
放浪者とお嬢様……?お、お嬢様……だった→←放浪者とお嬢様 2
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創造者 - この作品大好きだ! (5月6日 1時) (レス) @page11 id: aec583b91f (このIDを非表示/違反報告)
うえ - すごい好きです..!!!応援してます!!頑張ってください〜!! (4月7日 21時) (レス) id: 0e5cf0185e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宵闇 | 作成日時:2024年3月11日 1時