・ ページ4
ふっと意識が覚醒し、体をもぞもぞと起こす
「…生きてる、のか」
どうやらここは保健室のようで、手当をされたのか、無事に生きていた
「…あれ、私、ここに＿＿」
自分で来たっけ
なんて言う前に、倒れる前の記憶が一気に蘇る
「…やら、れた」
偶然とはいえ、あの人に助けられたのはまずい
さて、どう動くべきか…
そんなことを考えていたときだった
「夢子、あんただけには言っとくわ」
…この声は、早乙女さん？
早「夢子…私は…
生徒会長になるわ」
そう言い切り、早乙女さんはこちらのカーテンを開けた
早「…起きたのね」
「…はい、夢子様のご容態は？」
早「×喰だっけ？あいつが血清を打ったわよ」
「…そう、それはよかった」
早「あんたねぇ、自分の身を案じなさいよ」
呆れかえる早乙女さんに、思わず苦笑いで誤魔化してしまう
「…毒には、慣らされてるので」
早「…あっそ」
2人しかいない保健室は静まり返る
「…生徒会長に、なるんですね」
ピクリと早乙女さんの肩が動いた
「…私は、一族に仕える者ですから、早乙女さんのことを応援しづらい立場にあります
ですが…友達として、あなたのことを応援したい」
俯いていた早乙女さんが、弾かれたように顔をあげる
「どうか、気をつけて」
早「…あんたもやられるんじゃないわよ、朱音」
早乙女さんが出ていったあと、私も保健室を出る
念のため夢子様の容体を確認したけれど、回復に向かっているようだったので、ほっとした
「流石だね、君は」
後ろから声をかけられ、ピタリと足が止まる
「…訓練の、賜物、と言っておきます」
「へぇ…これが漣家の当主か…」
後ろからぐっと腕を掴まれ、無理矢理振り向く形になる
「茨、女性は優しく扱わないと」
「すみません、凛さん」
尾喰 凛様、尾喰 茨様
…私がこの一族で、もっとも苦手とする2人だ
「お久しぶりでございます、凛様、茨様」
凛「あぁ、久しぶりだね」
跪いた私のそばに凛様は膝をつき、下を向く私の顎を摘んだ
凛「相変わらず、綺羅莉と対照的だね」
「…そうでしょうか」
凛「うん、その何も映していない瞳とかね」
にこりと微笑む彼にも、感情は見えない
凛「そうだ…君に借りを返してほしくて来たんだよ」
…やっぱりこの人は苦手だ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 335人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒灰白有無％(プロフ) - コメント失礼いたします！！題名で少々気になり拝見させて頂きました、主人公が迚も好きで是から如何転がっていくか迚も楽しみです。賭ケ/グ/ルイの作品は初めて読むので此の作品で嬉しいです又の更新待ってます！自身のペースで頑張って下さい！応援しております！！！ (9月24日 22時) (
レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
tukina0123(プロフ) - 面白かったです!!更新楽しみにしてます！ (2021年8月30日 19時) (レス) id: 9d282b76d8 (このIDを非表示/違反報告)
NEM(プロフ) - めっちゃ好きです！！応援してます！！更新待ってます！ (2020年12月31日 0時) (レス) id: 5ab28218ae (このIDを非表示/違反報告)
！ - めっちゃ好きです！更新頑張ってください！！ (2020年10月4日 3時) (レス) id: 040106809d (このIDを非表示/違反報告)
シャケトラ - 続き気になります (2020年8月14日 21時) (レス) id: 261882cb8a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：バボちゃん | 作成日時：2019年5月18日 21時
