２４０羽 ページ38
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試合が流れて、山口のサービスターンもきられる。サーブ権は白鳥沢に移り、サーバーは五色だ。サーブトスを上げ、踏み切ったそのフォームを見てAは咄嗟に立ち上がって声を上げた。五色にとっての完璧な踏切じゃなかった、だとすればボールが落ちるのは。
「前です！！」
強烈なスパイクサーブ……と思いきや、そのボールはAの宣言通り前に落ちた。ほぼ反射でそれに反応した西谷がぎりぎり拾うも、ネットを越したボールを直で牛島が叩く。近づいてくる試合終了のその瞬間を前に、Aは顔をしかめた。
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緊張感を含んだ、長い長いラリーが続く。一進一退の攻防を繰り広げているが、烏野が防戦一方であることは明らかだった。そんなラリーの末、牛島に上げられるトス。この終盤でもキレキレのスパイクが叩きつけられ、15対14。再び訪れた白鳥沢のマッチポイント。
「(今の1点を若先輩のスパイクで許してしまった、この事実が大きい。流石白布先輩、よく考えてるな。皆のモチベーションが下がってる……どうしたら――。)」
焦るAと選手達の耳に、大きな大きな声が響いた。
「下を向くんじゃねぇぇぇ！！！」
隣から聞こえたその声にAは目を見開く。立ち上がって声を張り上げた――烏養は、静寂の中まっすぐに選手たちを見据えて言い放った。
「バレーは、常に上を向くスポーツだ！！」
その言葉は、下がっていた士気を上げるには十分だった。どこか活気づいた様子の選手たちの顔にAも安心の笑顔をこぼす。そして偶然か必然か、このタイミングで入り口のドアが開く。その存在を視認して、同時に微かな希望が見えた気がした。
「やっと帰ってきた。」
少し切羽詰った表情の月島は、確かな足取りでコートへ向かってきていた。
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白鳥沢のサーブから試合が再開する。放たれたのはジャンプフローターを澤村がレシーブし、落下地点に回った影山がセットモーションに入る――が、それをツーで返した。
天童が反応こそしたものの捉えきれず、白鳥沢のコートにボールが落ちる。これで15対15。再びデュース。この局面でツーアタックを決める影山の心臓の強さに思わず苦笑いをこぼして拍手を送った。
東峰のサーブで試合は再開する。大平が拾い、託されるのは牛島。月島は上がった先をしっかり捉え、跳んだ。放たれたスパイクが右手に当たってはじける。本来とても痛むはず、それでも月島は大きく声を上げた。
「ワンタッチ！！」
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蘭(プロフ) - 雨音が響いていますね切ないっ！ (2020年5月20日 19時) (
レス) id: 6b8ac95e5a (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 228羽から239羽になっています その後も240羽〜になっています (2019年7月28日 17時) (レス) id: 429426fee2 (このIDを非表示/違反報告)
kusareneko11(プロフ) - 天童の童が道になってますよ (2018年1月23日 21時) (レス) id: 82b0fa55d3 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - Kitty*.。さん» 貴方様のコメントを受けて「可笑しいのか！？」と思って調べたところ真骨頂が正解でありました…！申し訳ないです！真骨頂の意味は最もいい状態みたいな感じです！ (2016年12月29日 11時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
Kitty*.。(プロフ) - 216羽に最骨頂という言葉が出てきましたが、意味を教えてください (2016年12月27日 20時) (レス) id: 73d00c2580 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2016年10月8日 22時
