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赤っぽく染まった空の下、私達は付き合う前と変わらない、何気ない話を繰り返しながら駅までの道を歩いていた。

ただ自然とそううなっただけの話の流れで、私達は昼神くんの話題へと行きついていた。昼神くんにはたくさんお世話になったよね〜って、そんな風に。そのまま私は光来くんに今日昼神くんがサポートしてくれたことを話す。



「幸郎が……?」
「うん。光来くんのことが好きだって、気づかせてくれて……背中押してくれた。」



私の言葉を聞いて、光来くんは「アイツやるな……。」なんて少し嬉しそうに笑う。凄い人の友達はやっぱり凄い人なんだなって感じだ。

すると、光来くんが「あのさ、」と切り出した。彼に視線をやって続く言葉を待つ。



「高1の頃……Aが運んでた教材落として、誰か男子に拾ってもらった記憶あるか?」
「……うん、ある!」



光来くんの言葉を受けて、私は瞬時にその記憶を思い出した。ある、間違いなくその記憶はある。

確か遊びに行く予定のあるクラスメイトの子に変わって私が仕事引き受けたけど廊下に教材をばら撒けちゃったんだっけ……。そんな私に「大丈夫か?」って声をかけて一緒に拾ってくれた男の子がいた。

まさか人が居るとは思わなかったから、恥ずかしすぎてお礼言うので精一杯で相手の顔もまともに見れなくて。忘れっぽい性格だから一瞬見た程度じゃ顔も覚えられなくて、ずっとあの男の子は誰だったんだろうと思っていた。


……ん、待てよ。あの廊下には私と彼以外居なかったはず。なのに光来くんがそのことを知ってるってことは……もしかして……。



「まさかあの男の子って光来くんだったの……!?」
「おう、そのまさかだ。」



やっと思い出したか、と可笑しそうに笑う光来くん。ずっと探していた人がこんなところに……そっか、そうだったんだ……。



「入学式のとき一目見てAが気になってたけど……あの時の笑顔見てからAのこと好きになったんだと思う。」
「えっ、そんなに前から……?知らなかった……。」
「幸郎にしか言ってない。Aと同じで、俺も幸郎には色々世話になってる。」




光来くんの言葉に思わず感嘆の息が漏れた。昼神くんって何処までもすごい人だなとか考えながら、「頭あがらないね〜。」なんて笑う。そんな私の隣を歩いていた光来くんが突然立ち止まった。

慌てて立ち止まり、振り返る。光来くんは真っ直ぐな瞳で私を見ていた。




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ましゅ(プロフ) - さいっこうに最高なお話でした。2人のよさも可愛さもギュッと詰まってて、光来くん〜〜〜〜!!!って悶えました、天才です……幸郎も解釈が一致すぎて……ギュンギュンしました、最幸のお話をありがとうございます!! (2021年4月30日 3時) (レス) id: 01c5a5310c (このIDを非表示/違反報告)
なつなつき(プロフ) - お誕生日!!!最高です!ありがとうございます!! (2021年4月17日 9時) (レス) id: 299227e86e (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 赤兎リエ輔さん» 楽しみにしてますね!ゆっくりで良いのでこれからも頑張ってください! (2020年5月8日 8時) (レス) id: 2b0a425061 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - あおりんごさん» 1番だなんて勿体無いお言葉です…!嬉しすぎます…!コメントありがとうございます、とても自身と励みになります…。楽しんでいただける作品を提供できて幸せです、!コメント並びにご愛読いただきありがとうございました。これからも頑張ります〜! (2020年5月8日 1時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - 紫音さん» レス遅れちゃってすみません…!ずっと応援していただいてありがとうございましたぁぁ…!紫音さんのお声に本当に励まされました(*´`)絶対また作ろうと思っているので、その時はまたぜひお付き合いください、!本当にありがとうございました…!! (2020年5月8日 1時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti  
作成日時:2020年3月30日 23時

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