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「そう言えば今日クリスマスイブですよね。先輩達予定とかあるんですか?」
春奈の唐突な問いに、春奈を除いたマネージャー全員が首をかしげる。
うーん、と数秒沈黙が走った。
「私の家は特に何も。ディナーがクリスマス仕様になるくらいかしら。」
「うちも、ケーキが出るくらいね。」
「小さいツリーを飾るくらいで、特別出かけたりするわけじゃ……」
「そういうことじゃないんです…そうじゃないんです……!!」
夏未と秋、冬花の回答に拳を握り、求めていたものと違う……!!と震えている春奈。すると今度はその矛先を未回答の私に向け、A先輩はどうなんですか?!と鬼気迫るように訊ねられた。
……何となく察しは着いたが、ここはシラを切ることにした。
「え、えぇと……何が?」
「ダウト、ダウトです!!とぼけないでください!!風丸先輩とはどうなんですか!!付き合ってなくても口実くらいいくらでも考えつくでしょう?!」
「直球だね?!」
音無という苗字とは反し、非常にパワフルでアグレッシブなダウトが返ってきた。うーん、後輩が積極的なのは先輩的に嬉しいけど、お、押しが強いかな……
「Aちゃん、今日がイブって本当は覚えてたでしょ。」
「ゔ…いや、そんなことは……」
「珍しく風丸くんとあんまり話してなかったのって、ひょっとしてイブだから意識してたの?」
「いっ?!いや、いやいやいや私そこまで恋愛脳乙女じゃないし!!」
「顔に思いっきり出てるわよ。」
「は?!」
「先輩真っ赤です〜。」
「ファッ?!!!」
いつの間にか両隣に移動していた夏未と春奈に頬をむいむいと指でつつかれたり、にやにやと意地の悪い目線で見られたりした。
確かに、確かに今日は風丸とそんなに口聞いてないけどさぁ……!!
いや、正直に告白するとバッチリ図星を突かれてるわけだけど、だけど、決して
「Aちゃん案外
「あ、秋まで……!!」
「……Aちゃん可愛い。」
「冬花?!」
だめだ、完全に取り囲まれている。
その手の話題が大好きな年頃の女子(冬花は兎も角として)は無慈悲だった。いやでも、リカが居ないだけまだ状況はいいほうだろうか。
「い、いや、ただ何となく……意識が伝わりそうで……深い意味は……」
「それは十分深い意味だと思うのだけれど……」
「〜〜い、いいの!!バレンタインでひっそり頑張るからいいの!!」
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弓女雅零(プロフ) - こっちにも来ちゃいました(笑)やっぱりこの小説好きですっ!! (2019年2月25日 17時) (レス) id: fc748f73ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - リアトさん» リアトさん、はじめまして!コメントありがとうごさいます!ご指摘ありがとうございます!確認次第訂正いたします! (2019年2月15日 20時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
リアト(プロフ) - こんばんは。いつも展開をドキドキしながら読ませて頂いてます。ところで誤字報告を少し。>「確かに何人か俺にチョコらしきものを私に来た女子がいた。」これは「渡し」ではないかと思いまして報告させて頂きました。次話、お待ちしております。 (2019年2月15日 20時) (レス) id: 809030045e (このIDを非表示/違反報告)
七瀬真昼 - 分かりました!!というか返信してくれてありがとうございます!毎回毎回ご丁寧に…。私だったら返信しないまま放置ですよ多分。そういえばふと思ったんですが、次のイナオリで子文くんの正体が明らかになりますよね!見当ついてるけど…ゆきさんは分かりますよね! (2019年1月27日 17時) (レス) id: 60ce0b2030 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 七瀬真昼さん» 七瀬さんコメントありがとうございます!リクエスト、大変ありがたいお話なのですが、私事で大変申し訳ないのですが、モチベの関係で受け付けてないんですよ…本当にごめんなさい…でもバレンタインのお話は元々書く予定でしたので、そちらの方を是非見て頂ければ… (2019年1月27日 17時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年12月17日 23時