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ページ36

「というわけで、」
「体験入部……でいいのかな、とにかく今日一日お世話になります、御剣Aです。」

木野の後ろから姿を現した御剣に、男子陣は唖然としていた……キャプテンである円堂を除いて。

「な、な……御剣って、あの……?」

数秒の沈黙の後、漸くはくはくと口を動かし絞り出すように言葉を発した双葉……半田は、まるでお化けでも見たかのような挙動を見せた。

「私は都市伝説か何かか。」
「いや、1年の間じゃ割と有名だし、そんな奴がうちの部に来てくれるなんて思わなくて……」
「だからってそんなにビビらなくても。」

思わず慄いている半田に若干の呆れを見せつつ気楽に会話を続行する御剣に、今度は厳つい顔つきの染岡が声をかけてきた。

「お前があの御剣……だったのか……」
「そういう君は染岡君じゃないか、1週間ほど振りだね。」
「おう、あン時は世話になったな。」
「えっ、二人知り合いだったのか?」

染岡と御剣の意外な組み合わせに驚いているのか、間の抜けた声で反射的に問い掛けた半田に、まぁな、と短く答えた二人。見かけによらずウマが合うのかもしれない。

「それで、君がキャプテン、でいいのかな?」
「おう!俺、円堂守!!よろしくな御剣!!」
「うん、よろしく。」

にか、と太陽のように輝かんばかりの笑顔で手を差し出されると、御剣はそれに快く頷き同じく手を差し出した。







じゃあとりあえず、と木野に連れられながら軽くマネージャー業の説明を受けた御剣はちらり、と3人の練習風景を横目で見ていた。


「染岡ナイスシュートだ!!!!」
「おう!!!!」
「次俺行くぞー!!」


試合すらできない超少人数の中での練習だったが、それでもその光景は、御剣には輝かしいものとして鮮やかに映った。
泥や砂でユニフォームを汚しながら、心から楽しいと全身で叫んでいるかのようなその姿は、御剣が今までに見たことの無いものだったからだ。

「……たのしそう。」

口をついて出た言葉は、今までの御剣の様子からは想像もできないほどに幼く、驚く程に無垢なものだった。
頬を緩め、水面に星を映すように瞳をきらきらと瞬かせていた御剣の様子を見ていた木野は、それに釣られるように嬉しそうに笑みを浮かべ、御剣の隣に並んだ。
そんな二人の空気をぶち壊すように、勢いの着いた流れ弾が飛んできた。


「木野、御剣!!」
「え?」

状況を飲み込むのが遅れた木野はその場でただ目を見開いて立ち尽くしていた。


…――しかし、御剣は違った。

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弓女雅零(プロフ) - こっちにも来ちゃいました(笑)やっぱりこの小説好きですっ!! (2019年2月25日 17時) (レス) id: fc748f73ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - リアトさん» リアトさん、はじめまして!コメントありがとうごさいます!ご指摘ありがとうございます!確認次第訂正いたします! (2019年2月15日 20時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
リアト(プロフ) - こんばんは。いつも展開をドキドキしながら読ませて頂いてます。ところで誤字報告を少し。>「確かに何人か俺にチョコらしきものを私に来た女子がいた。」これは「渡し」ではないかと思いまして報告させて頂きました。次話、お待ちしております。 (2019年2月15日 20時) (レス) id: 809030045e (このIDを非表示/違反報告)
七瀬真昼 - 分かりました!!というか返信してくれてありがとうございます!毎回毎回ご丁寧に…。私だったら返信しないまま放置ですよ多分。そういえばふと思ったんですが、次のイナオリで子文くんの正体が明らかになりますよね!見当ついてるけど…ゆきさんは分かりますよね! (2019年1月27日 17時) (レス) id: 60ce0b2030 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 七瀬真昼さん» 七瀬さんコメントありがとうございます!リクエスト、大変ありがたいお話なのですが、私事で大変申し訳ないのですが、モチベの関係で受け付けてないんですよ…本当にごめんなさい…でもバレンタインのお話は元々書く予定でしたので、そちらの方を是非見て頂ければ… (2019年1月27日 17時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2018年12月17日 23時

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