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「うーわ……」

これは、凄いな。
人、人、人、真夜中とは思えない程の賑わいっぷりに若干尻込みをする。

「これは、すげぇな……毎年こんななの……?」
「まだ時間早い方だから、これでもまだ少ない方だぞ。」
「ひぇ……」

風丸が平然と投下した事実に更に引いた。
いや、すくない……え……?
これ、どうやってお賽銭まで進むの?人混みを掻き分けるとして、分かれる?

「大丈夫Aちゃん、もしかして人混み酔ったりとかしちゃう?」
「や、人混みには酔わない……これ、どうやって進むの……そして帰れる……?」
「……ふ、ふふふ、」

若干不安を覚えたので、秋の上着の裾をきゅっと握りながら問いかけると、秋は何がどうしたのか、口元を片手で覆いながら、ふるふると身を震わせた。

「えっ、ちょ、なんで笑ってるの?!」
「ごめんなさい、だってAちゃん、迷子みたいで何だか可愛くて…」
「いや、うぅぅ……複ッ雑!!」
「痛、痛い、なんで俺?!!」

行き場のない、複雑なこの心境をどうにかしたくて、とりあえず目の前にあった風丸の背にどすどすと拳をぶつける。

「うぅあううう……人混みィ……!!」
「ああもう、ほら、ここ掴んでいいからグーはやめろ!!」
「風丸さーん、私たち先に行ってるのでA先輩のことお願いしますねー。」
「え、」
「……ふ、邪魔者は退散するか。」
「鬼道?!」
「は?!」

なんと春奈と鬼道がいつの間にか全員の背を押して先に行ってしまった。さすが兄妹、血は争えないということなのか、こういう時に限って息がぴったりなのである。

「い、行ってしまわれた……」
「あいつら……」
「どうするこれ。」
「……とりあえず進むか。はぐれるなよ。」
「は、はぐれる……」
「……ふ、はは、」
「だからなんで笑う?!!」

先ほどの秋同様に突然笑いを零し始めた風丸に困惑していると、とんでもない爆弾が投下された。

「いや、可愛いなお前。」
「は……?…………は?!!!!」

ぽぽぽぽ、と体温が上がっていく感覚を覚えた。
いや、え、なにしれっととんでもない事言って……
あまりにも突然のことに心身ともにフリーズしてしまう。
こいつ、自分で何を言ったのか分かっていないのか特に表情の変化もなしで、こちらを見てはきょと、と目を瞬かせている。

「〜〜〜いいから行くの!!」
「はいはい、さっきとはえらい違いだな。」
「ううぅぅうるさい!!つべこべ言わずエスコートしろよ!!」
「随分アグレッシブなお嬢さんだなオイ。」

・→←無印 12月31日



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弓女雅零(プロフ) - こっちにも来ちゃいました(笑)やっぱりこの小説好きですっ!! (2019年2月25日 17時) (レス) id: fc748f73ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - リアトさん» リアトさん、はじめまして!コメントありがとうごさいます!ご指摘ありがとうございます!確認次第訂正いたします! (2019年2月15日 20時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
リアト(プロフ) - こんばんは。いつも展開をドキドキしながら読ませて頂いてます。ところで誤字報告を少し。>「確かに何人か俺にチョコらしきものを私に来た女子がいた。」これは「渡し」ではないかと思いまして報告させて頂きました。次話、お待ちしております。 (2019年2月15日 20時) (レス) id: 809030045e (このIDを非表示/違反報告)
七瀬真昼 - 分かりました!!というか返信してくれてありがとうございます!毎回毎回ご丁寧に…。私だったら返信しないまま放置ですよ多分。そういえばふと思ったんですが、次のイナオリで子文くんの正体が明らかになりますよね!見当ついてるけど…ゆきさんは分かりますよね! (2019年1月27日 17時) (レス) id: 60ce0b2030 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 七瀬真昼さん» 七瀬さんコメントありがとうございます!リクエスト、大変ありがたいお話なのですが、私事で大変申し訳ないのですが、モチベの関係で受け付けてないんですよ…本当にごめんなさい…でもバレンタインのお話は元々書く予定でしたので、そちらの方を是非見て頂ければ… (2019年1月27日 17時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2018年12月17日 23時

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