菊九 ページ9
あれから一週間
同志たちを次々に懐柔していく審神者の姿を画面越しで見る
「鶴丸殿、どう思われますか?」
「どう思うも何も、気に入らないな。どうせまた、この審神者も前任と同じだと思うからな」
「信じてみてもいいと思うのですが...まあ、良いでしょう。このようなことは強制してもどうにもならないことですし」
浮かない顔をする…前任を屠っただけではどうにもならないのですね
「あ、紫吹さんが鶴丸殿の部屋に来ていますよ」
「何!?」
そふぁに寝転んでいた鶴丸殿だったが、その言葉を聞くなりぱそこんに張り付いた
私は日記を付けながらそれを見ています
『主殿!』
『鶴丸国永はないのですか?』
『あ…はい。主様が来る前から雲隠れしていて….見て回ったのですが、見つからなくて…』
やはり我らを探しているようだ
簡単には見つかるはずもないところに私たちは今いるのですがね
「俺達の事探しているな」
「そうですね。どのくらいまで観察しておきます?私はそろそろ審神者に会ってきますが」
「ああ、無事でな。俺はもう少しここにいる」
「そうですか…では」
忍者のように素早く、屋根裏から廊下へと降りる。もちろん…音もなく気配もなく、ですよ
さて、ここから先ずは何処へ行きましょうか?
かめらでは、あの審神者は離れに住んでいるとのことでしたが。そして、絆された者たちも数人……
「離れに行ってみましょうか」
歩くこと二分。本丸の離れに着いた
穢れていた本丸の空気とは違い、澄んでとても気持ち良い
草木は青々と茂り、この離れだけ別の…とても綺麗な神域のように思えた。何故、この様な澄みきった神力を持った御方を皆は認めないのでしょうか…
それ程までに前任の影響が強かったのか、あるいは…自己防衛か…まあ良い
「審神者殿、いらっしゃいますか?」
扉をのっくして、声を掛ける
直ぐに誰かが動いて、此方へ来る
「貴方は?」
少しきょとんとした顔に、少し吹き出してしまった
目の前の審神者は怪訝そうな顔をしているから早く頼みごとを言わないとね
「山鳥毛一文字です。今回は、頼みごとがあってやって参りました」
この人はいい人。
それはもう何となく、分かっていることだった
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緑雨 - 応援しています (2016年12月11日 15時) (レス) id: 5e89d0674e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬祁 | 作成日時:2016年12月10日 0時