【刀剣乱舞】菊の花は乱れ咲く。 (ページ10)

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菊十ページ10

「それで、願いとは？」

紫吹さんは、私を室内へと向かい入れお茶まで出されました。
室内には私と紫吹さんしかおりませんでしたが、天井裏や、障子…床下には短刀たちや、打刀、太刀さえもの気配がしていました。

「はい、前置きは…必要ありませんね。単刀直入に言わせてもらいます」

　これはただの願望。無理せずとも良いのです。断ってくれても良いのです。
ただ、希望を見せてくれるほどの貴方ならば、きっと救ってくれると信じて…

「私は如何なってもいい。どうか…心を閉ざしてしまった彼らを……救ってください」

　目を伏せ、目の前の御方に頭を下げる。
私には渡せるものがありません。ですから、これでどうか…！

「……頭を上げてください。あなたの願い、聞き届けました」

「本当…ですか？」

「はい！本当です」

　驚いた。断られても仕方ないと思っていたのだけれど…
だとしたらこの人はどれだけお人よしなんだろうか？

…この人が来てくれてよかった。

「お願いします」

　私は再度、頭を下げて静かに涙を流した。

＊＊＊

　これは如何するべきか...彼が出て行き、一人きりになった部屋の中で、とある審神者はそうこぼした。
　もとからこの本丸はかなり厄介なものだと思っていた。
なので、無理ならば報告し、その本丸にいる刀剣男士は抹殺せよとの命令が下っていた。

　今までにも何人もの審神者や政府の職人が送られている...
その数は、私を含め、数十人にも及ぶそうだ。

「はぁ...政府は何やってるんだか......」

　懲りないものだ。
この様な危険な本丸に有望な株をわざわざ送ることもないだろうに。

「主！お怪我は！？」

「嗚呼、長谷部くんか。彼はどんな刀剣なんだい？」

「山鳥毛のことですか？...あいつは、俺達が縛られていた時、審神者を殺して言霊を解いたのです。俺達からしてみれば、ああ、また傷つくのかと思っていたのですが...」

「見事、審神者を殺したと？」

「はい。彼には感謝しきれません。あの日から全く姿を見せなかったので、どこかに行ってしまったのではないかと噂をしていたのです」

　なるほど。彼はこの本丸の中での新入りというわけか。
彼自身も、この状況で何もできないことに自らに怒りを感じているようだったが

果たして......？