【刀剣乱舞】菊の花は乱れ咲く。 (ページ13)

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菊十三ページ13

それは、ある冬の日だった。

　いつもより寒く、いつもより吹雪いていたため、視界は良好とはいいがたい状態だった。その上、地面や道路は凍り、走っていた人は、気を抜いてしまうと転んでしまうくらい。つまり、事故が起きやすいことこの上ないのだ。

　さらに、僕は講義で疲れ切っていて少しだけ、ほんの少しだけれども足下がおぼつかない状態ではあった。そして、走っていた。

その日の目的地は喫茶店。

　友達と一緒にそこでしか食べられないという幻のパンケーキを食べに行くという約束をしていた。案の定、講義が長引き、約束の時間に遅れそうになっている。だから走っていた。

ほとんどの人は、ならば電話でもして遅れることを連絡すればいいだろうというのではないだろうか？

残念ながら、僕は先日車のタイヤに轢かれたスマホを見たばっかりだ。

「あー、もう！家の電話も壊れてるし！近くに公衆電話もないし！つーか、今日の講義聴きに来てた友達の誰一人スマホ持ってないってどーゆーわけなのさ！！」

いつも！いつもそうだ...重要な時に必要なものがないなんてことしょっちゅうなんだ！

それにしても...もうそろそろつくはずなんだ。ついてもおかしくないんだけれど...全く見えない。それどころか段々と吹雪がきつくなっていく。もう近くしかみえないんだ。

「なにこれ...不安になってくんだけど...」

「あ」

滑った？

「これお亡くなりになっちゃうやつ？」

意識が飛んだ。