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奇襲により倒れた人たちを助けて手当してくれたその人は、忍術学園というところの生徒で保健委員に所属しているらしい。

その人についての情報はそれだけしか得られなかった。



私が朦朧とした意識で見た、あの人のことだと直感的に思う。


「だから絶対、絶対絶対、生きてね」


たぶん、あの人はそう言った。
その声と一緒に、ぼんやりと見た白い姿を思い出す。




「生きてね、なんて…軽率に言うな…」
「何か言ったかい?」

「いえ、…その忍術学園への行き方を教えて頂けませんか」

「この後は忍術学園に行くのかい?」
「あ、すぐに行くわけじゃ…色々と落ち着いたら、手当してくれたその保健委員の人にお礼を伝えたいなと思ったので」




*



その2日後、私はあの場所を離れて忍術学園に向かいはじめた。

落ち着いたら、なんていうのは嘘だった。
この後すぐに行くなんて言ったら止められかねないと思ったからだ。



奇跡的に綺麗な状態で残っていて私の手元に戻った着物に着替え、ボロボロになった着物は風呂敷にしまい込む。

風呂敷も、ここを離れるならと救護所の人が私にくれたのだ。

銭、それからいただいた痛み止めと竹筒に入った水を持って、感謝の気持ちを面倒を見てくれた大人たちに伝えると、私は出発した。


途中村の様子が気になったが、怖くて脚がすくんだので見に行くのはやめた。





救護所にいた大人たちは、忍術学園がどこにあるのか誰も知らなかった。

だから私は仕方なく、行く先で出会う人達に聞き込みをしながら向かうことにしたのだ。



忍術学園…忍術を習う学園ということなら、忍びを育てている場所ということだろう。

なら普通の人が場所を知っているようには思えない…きっと表世界からは隠れたところにある学園なのだと思う。


そう簡単に場所が分かるものとは思えないけれど、私はどこかで忍術学園の場所を知っている人に出会えると僅かな可能性に賭けて歩き続けた。


隠れているところにある学園なら山の方かもしれないと、適当な勘で山に向かって歩く。


あてもなく歩き続ける途中で何人もの人に声をかけたが、やっぱり忍術学園を知っている人はいなかった。

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設定タグ:忍たま , rkrn   
作品ジャンル:アニメ
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加糖雪(プロフ) - Hanakoさん» ありがとうございます!^^ (2021年4月25日 21時) (レス) id: ac64387404 (このIDを非表示/違反報告)
Hanako - 面白い!! (2021年4月17日 18時) (レス) id: 1d8bf8714f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年3月31日 9時

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