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「見え……はするのか」
「そのはず。教卓の下のは黒っぽくてもやもやしたカゲロウみたいなやつで、机の中にも目のついた似たようなのがいる…あとそっちには手が異様に長くて」
「見えてるな」
「うん」
「なんとなくだが、ああ……お前、強い呪いが常に近くにいるからなのか、ペインと呪力を共有できるのが原因なのか、普通にいるような低級の呪霊は注視しないと認識できないのか」
なるほど。
強い呪い＿ペインが近くにいるのが当たり前になっているから、弱い呪いには気づきにくくなっているという訳か。
夜の学校のいかにも「出そう」な雰囲気なのにそういった恐怖を感じなかったのも、弱い呪いなんてもはや日常風景と同化してしまうから。
「……祓ってみるか？」
ぽつりと、恵は問いかける。
「ああいう弱い呪いは放置しておいても問題はないが、一応実践の場にいる訳だし、準備運動だと思って」
「……わかった」
刀袋から刀を取り出し床にぺたりと落とす。
抜刀、構え。
ごくりと無意識に唾を飲み込んだ。
夜の中の僅かな光を刃が跳ね返す。
柱の影に隠れた、頭のでかい2頭身で一つ目の呪霊に近づくと、「！」身の危険を感じたのか、ぱたぱたと小さい歩幅でそいつは私に背を向けて逃げ出した。
「あっ、待て！」
咄嗟に大股で走り込み、刀を振るが切っ先が掠めただけで終わった。
ていうか廊下で刀を振るとなると、大きい動きができない。
「うそ…！」
「A、落ち着＿＿＿＿」
ぐしゃり。
「……え」
目の前で、追いかけていたはずの小さな呪霊が突然潰れた。
残ったのは、床に張り付くような元の形が残ってすらいない泥のような残骸。
顔を上げると、目の前にはペイン。
「え、え、ペイン、が、呪霊を歯で斬っちゃった……！！」
元からペインの口に当たるのであろう所にはその鋭い牙がむき出しに並んでいたので、齧られたら痛いだろうなーははは…程度に思うことはあったが。
私が追いかけていた呪霊を挟み撃ちにする形で、ペインは突然目の前に現れ、瞬く間にその牙で呪霊を横から一直線に斬ってしまった。
ペインの口元は呪霊だったもので少し汚れている。
「手伝って、くれたの…？」
そうに違いないだろう。
ペインは少し俯いたのか、頷いたのか。相変わらずの曖昧な仕草を見せた。
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reia(プロフ) - 加糖雪さん» ありがとうございます！(*^^*)もちろん、無断転載や改変などはしません! (2022年3月2日 17時) (
レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» 保存のみでしたらしていただいて良いですよ。画像の複製、改変、転載(複製や改変したものを含む)等は禁止しておりますのでご注意ください。 (2022年3月2日 17時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - souさん» souさんコメントありがとうございます！今後も番外編に挿絵描いてもらう予定なのでお楽しみに〜！ (2022年3月2日 17時) (レス) @page32 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
reia(プロフ) - 加糖雪さん» 挿絵の保存って大丈夫ですか？ (2022年3月2日 16時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» reiaさんコメントありがとうございます！挿絵はこれからも番外編にちょこちょこ入れる予定なのでお楽しみに…！ (2022年3月2日 14時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星藍 海 | 作成日時：2022年2月11日 2時
