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「恵、この後はどうするの?」
「他の階も調べる。まだお目当ての呪霊は見つけられてないからな」
ペインが居て呪霊が近づいてこないなら、私は居ない方がいいんじゃ…という考えがちらりと過ぎる。
ペインがあの小さな呪霊を噛みちぎった後、その場にいた呪霊はますます寄ってこなくなった。
私の手助けをすると同時に、ペインなりの威嚇だったのかもしれない。
結局私は呪霊を斬るのを諦めた。
「手分けしない?確か校舎は3階建てだから……私3階見てくるよ」
「一人で大丈夫か?」
「うん。ペインもいるし」
「……分かった」
少し迷う仕草を見せたが、恵は了承した。
そうだ。二手にわかれれば見つけるのも早くなるだろうし、ペインのせいで出てこないのなら恵の方に姿を見せるかもしれない。
「何かあったらすぐ知らせること。難しかったら逃げろ。…死ぬなよ」
しっかり私の目を見つめられ、私も真剣に返す。
「了解」
正直、恵の方に心配なんて要らない気がするが、「恵もね」と言わずにはいられなかった。
恵と一緒に階段を登り、2階のフロアに続くところで別れた。
*
Aと別れた直後、唐突に違和感を覚えて教室のある方へ向かう足が止まった。
首を捻るが、その正体が何なのか分からない。
不安になってAと別れた場所へと戻る。
「…………A?」
Aは忽然と姿を消していた。
混乱で数秒動きが止まる。
目を離したのはほんの10秒ほどだ。
それなのに、階段の途中にも、階段を登りきった先にも見当たらない。
階段を降りてみても姿は見えず、近くにはいないようだ。
___違和感の正体は、Aの階段を登る足音が数回でぱたりと消えたことだった。
「…嘘だろ」
低く吐き捨て、恵は1階へ駆け出した。
*
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reia(プロフ) - 加糖雪さん» ありがとうございます!(*^^*)もちろん、無断転載や改変などはしません! (2022年3月2日 17時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» 保存のみでしたらしていただいて良いですよ。画像の複製、改変、転載(複製や改変したものを含む)等は禁止しておりますのでご注意ください。 (2022年3月2日 17時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - souさん» souさんコメントありがとうございます!今後も番外編に挿絵描いてもらう予定なのでお楽しみに〜! (2022年3月2日 17時) (レス) @page32 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
reia(プロフ) - 加糖雪さん» 挿絵の保存って大丈夫ですか? (2022年3月2日 16時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» reiaさんコメントありがとうございます!挿絵はこれからも番外編にちょこちょこ入れる予定なのでお楽しみに…! (2022年3月2日 14時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星藍 海 | 作成日時:2022年2月11日 2時