― ページ24
原因不明とされていますが、呪いの仕業であることが確認されました____伊地知さんの口から語られる状況に、ペインの場合も呪力が強すぎるせいで攻撃する意図や動きはなくとも、人が倒れたりすることがあった…というのを思い出していた。
「ま、中には人を食い殺したりする呪いとかあるからねえ。まだ易しいんじゃない」
呑気な口調で五条先生は恐ろしいことを喋る。
いつも私に着いてくる呪霊も、しようと思えば人を呪い殺すことができてしまうのだろうか。
なんて、そんなことが過ぎってしまった。
─────そして私は、この時恵が何かに耐えるような表情をしていたことに気がつけていない。
正門沿いの道路の端に車が停められ、降りるとそこには何の変哲もない、ごく普通の校舎の姿が見える。
気配を感じるだとかそういう事は全くなく、だが、確実に「呪い」が棲み着いているのだ。
肩にかけた刀袋の紐を握る手に力が籠った。
「A、実習頑張ってね」
緊張して固まっていた私の肩にぽんと五条先生の手が置かれ、離れると同時にそのまま二本の指を立てて構えた。
「『闇より出でて闇より黒く その穢れを禊ぎ祓え』」
五条先生が畏まった音を並べ、直後に異変を感じて空を見上げると、中学校が上空からドーム状の黒い膜で覆われて始めているのが見えた。
それには、覚えがある。
「夜……?」
私が美術室にいた時に見た「夜」と同じだ。
ぼうっとしていると、既に確実に夜の内側になる場所にいる恵に呼ばれる。
「A、行くぞ」
「うん、今行く」
「それじゃ恵、あとはよろしくね〜」
「わかってますよ」
面倒くさそうに背を向けたまま返事をした恵の跡を着いて歩く。
「お気をつけて」
伊地知さんの声が聞こえ、歩きながら少し振り返って軽く頭を下げた。
そんな私にもまた、ペインがずるずると着いて歩いてきている。
夜の闇が五条先生たちの姿を遮る所まで見届け、改めて恵の背中の方に目を向けた。
「ほんとに夜だ……」
「これは帳だ。外から呪術師…俺たちを隠すための結界。今回は多分、呪いを見えやすくする効果もあるはず」
943人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
reia(プロフ) - 加糖雪さん» ありがとうございます!(*^^*)もちろん、無断転載や改変などはしません! (2022年3月2日 17時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» 保存のみでしたらしていただいて良いですよ。画像の複製、改変、転載(複製や改変したものを含む)等は禁止しておりますのでご注意ください。 (2022年3月2日 17時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - souさん» souさんコメントありがとうございます!今後も番外編に挿絵描いてもらう予定なのでお楽しみに〜! (2022年3月2日 17時) (レス) @page32 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
reia(プロフ) - 加糖雪さん» 挿絵の保存って大丈夫ですか? (2022年3月2日 16時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» reiaさんコメントありがとうございます!挿絵はこれからも番外編にちょこちょこ入れる予定なのでお楽しみに…! (2022年3月2日 14時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:星藍 海 | 作成日時:2022年2月11日 2時