双狐と新撰組

２匹 ページ4

▽壱音▽



悲鳴と刀の交わる音らしきものを頼りに走る。



「ーっ！？」



血の匂いがする。

この辺りなんだろうか…

路地の突き当たりの通りに来たため、家の陰に隠れ、覗いてみる。



「なに、あれ…」



俺らが目にしたのは、死んだと思われる倒れた男。

その男に刀を刺し続ける…

白い髪の、狂気に満ちた男達がいた。



『酷い…』


「血の匂いが鼻にくるね…」



こんな時に冷静でいられるのは、自分でも少し驚いた。

すると、何処からか人が来て白髪の男達を斬り殺した。

一瞬の出来事に驚いたが、それどころではない。



「あーあ。僕一人で殺しちゃおうと思ったのにな」



その男の後ろから更にもう一人出てきたのだ。

俺は、２人が話している間に刀を風呂敷に包み、地面に置く。

そして手を離すと琴音同様、狐姿になる。

男達の方を見ると、白髪の男達の羽織を取っていた。

同じ色・同じ模様のものを来ていることから、仲間なのかもしれない。

だとしたら仲間を殺したのか？




『気付かれてない…よね』


『そうだと思うけど』



刀を置いて逃げる訳にもいかず、男達が立ち去るのをひっそりと待った。


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『』は、双子が狐姿の時に‘声に出さずに’話しているということのつもりです！
‘人間には解らない動物同士のコミュニケーション’って感じです！

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