双狐と新撰組

９匹 ページ11

次の日、目を覚ました双子が沖田に連れていかれたのは広間。




「そこに座れ」



「「…はい」」




前には近藤・土方・山南

後ろには残りの幹部が座っている。

双子はそのピリピリした空気に怯えることもなく座る。




「お前らには幾つか聞くことがある。」




双子が座って直ぐそう言う土方。

双子はただ土方の目をじっと見つめる。




「お前らは昨日何を見た」



「…白い髪の人が人を殺すところ、です。」




壱音がそう答える。

嘘をついてもいいことがないという事は母親から教わった、というより植え付けられていたのできちんと答えた。




「ばっちり見ちゃってんじゃん」



「どうすんだ？殺すのか？」




‘殺す’という言葉に、双子は反応した。





「殺してくださるならそれでいいんですが」



「は？」



「僕らがいることがあなた方にとっては不都合なんでしょう？なら行くところもやることもないですから別に殺してもらって構いません」




少しの沈黙の後、今まで話を聞いていた近藤が口を開いた。

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