11話 ページ13
貴方目線
足跡を見つけてからずっと山を登っている
が、足跡の主であるエゾシカが見つかる気配がない
雪のせいで体力を少しずつ削られていく
このままだとエゾシカを狩る前に体力が切れてしまう
ｱｼﾘﾊﾟ:杉元、颯真、遅いぞ
鹿に追いつけなくなる
杉元:ちょっと…待ってくれ…疲れた
どうやら杉元も体力が削られて、息が途切れていた
杉元:雪が…表面は固いのに下は柔らかいからズボズボ足が取られて…
アシﾘパさんは山歩き慣れてるし、体重も軽いからいいけどよぉ
A:いや、体重は関係ないぞ
私たちの装備が雪山に適してないんだ
杉元:どういうことだ?
A:体重が一点に集中してしまうから沈むんだ
沈まないようにするには、広く分散させる必要がある
杉元:なるほどねぇ、博学だな
A:これでも幼少期に北海道の山で育った身だから
ｱｼﾘﾊﾟ:情けないシサム達だ、じゃあ少し休憩するか
ほら杉元、颯真、コレでも噛め
そう言われて渡されたのは松の葉だった
ｱｼﾘﾊﾟ:トドマツの葉先だ
私達はフﾌﾟチャと呼んでいる
杉元:葉っぱ食うの?
A:なんか口の中痛くなりそうだな
ｱｼﾘﾊﾟ:噛んで露だけ吸って吐き出すんだ、栄養がある
山で疲れたらフﾌﾟチャを噛むと元気が出てくる
枝ごと採って火で炙り白湯にいれて飲んだりもする
杉元/A:へー
そんな説明を聞きながら松の葉を口の中に入れて噛む
瞬間口内になんとも言えない、草独特の匂いと強烈な苦味が広がる
A:お"え"ぇぇぇぇ!!
杉元:ばぁぁぁぁぁッ!!
杉元と盛大に口の中の葉を吐き出すも、苦みは残ったまま
苦みのせいで口の中の水分奪われていく
杉元:苦ぇ、松脂臭ぇしよぉ、ホントに効くのぉ?これぇ!?
ｱｼﾘﾊﾟ:野性味溢れる山の味は、お上品なシサムの口に合わんかもな
そんなことを聞いてアシﾘパを見ると、明らかに苦みを我慢してる顔をしていた
杉元:なにその顔ッ!
やっぱアシﾘパさんも苦いんじゃん!
ｱｼﾘﾊﾟ:本当なら生で噛む場合は春の新芽がいいんだ
やわらかいし
杉元:苦いんじゃん苦いんじゃん!
A:うわ顔ウザッ
杉元:そんな真顔で言われたら傷つくんだけど
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見守るセミ - え待って尊い。1日で読んでしもた。あ、どうも名乗り遅れました、見守るセミです。腐も夢も大好物です。推しは、杉元ニシパ、尾形ニシパ、月島ニシパ、宇佐美ニシパでござんす。無理せず楽しんで作成して下さい、更新お待ちしております。ｱﾋｬﾋｬﾋｬﾋｬ (4月27日 19時) (
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作者名：華蓮 | 作成日時：2024年1月24日 17時
