3話 兄弟たちの登場2 ページ3
最後にリビングに入ってきたのは寝起きの二男の翔。
29歳、小説家。
明け方まで小説を書いていた。
書きあがった原稿を持って早朝に雅紀は東京へ出発したのだ。
「雅紀は寝てるのか。とんぼ返りのお使いご苦労さま」
和也に並ぶようにソファーの下に座る翔。
「しばらくゆっくり出来るわ〜。たまにドライブでも行くかな。和、一緒に行くか？」
「遠慮します。まー兄(にい)を連れてけば？喜ぶよ」
「相変わらずの出不精ですな」
「褒め言葉として聞いておきましょう」
顔の絵具を洗い落とした智がリビング戻ってきた。
「マカロン食おうぜ」
「先に晩飯！」
キッチンからの声にシュンとなる智。
「もう出来るからさ、雅兄を起こして」
「はいよ〜」
眠る雅紀に視線を移す。
三男坊27歳。
ソファーの背と雅紀の間に智は足を入れたかと思うとそのまま体も隙間へ入れ込む。
ソファーから押し出される雅紀の体。
ソファーに寄りかかって座っていた翔と和也の頭に雅紀の体が圧し掛かる。
「うわあぁ、首やられる！」
「ちょっ、智君(さとにい)何してんの！」
「ううう〜ん。うわ！落ちる！」
目を覚ました雅紀。
けれど遅かった。
翔と和也を巻き込んで床に転がり落ちる。
雅紀につぶされる形で倒れ込む。
「痛い！早くどけろ！」
「ごめーんってなんでこんなことになってんの〜？」
起き上がった３人。
気持ちよさそうにタオルケットを体にかけて横になっている智。
「メシ出来たけど……」
カウンターキッチンから顔を出した潤はソファーで起きた惨状に目を点にさせる。
「潤ちゃん、雅ちゃん起こしたよ〜」
「……俺の時に同じような起こし方をしたら本気で殴るからな」
キッチンからの冷たい言葉。
「はい運んで」
カウンターに料理が置かれ、首を押さえながら翔がリビングのテーブルへ運ぶ。
料理が並べ終えて定位置の席に座ると智の号令で夕食が開始された。
「頂きます！」
「頂きます!!」
５人兄弟、それぞれが芸術家と呼ばれる手に職を持つ。
ちなみに末っ子で５男の潤はガラス工芸作家。
食器や置物を作る職人。
一階には工房があり、多くのガラス品を作り上げている。
兄弟の中で一番の常識持ちでもある。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 962人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むつき(プロフ) - はじめまして。探してコメントを頂きとても嬉しいです。続Homeも始めました。お時間のある時に覗いてやってください。コメント嬉しいです。ありがとうございます。 (2014年11月23日 21時) (
レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
あやち(プロフ) - はじめまして。HOME読ませて頂きました。以前読ませて頂いたのですが、保存等を行っておらず、お礼を伝えることが出来ませんでしたが、やっと見つけた!!読ませて頂いた時、涙が止まらなかったです。兄弟って素敵だなって思いました、素敵な作品ありがとうございました (2014年11月23日 18時) (レス) id: 6dc0a1d5bc (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - 翠さん» 翠さん。涙には心をキレイにする作用があるらしいです。いっぱい泣けるようにいいですよね。今日は次男さんのお誕生日ですね。っと言うことで大量更新します！ (2013年1月25日 21時) (レス) id: 75d4746b37 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - 翠さん» 翠さん、コメントありがとうです。兄弟たちに支えられる絆が表現できたらと奮闘中です。 (2013年1月25日 19時) (レス) id: 75d4746b37 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - アリスさん» アリスさん、私のほうがいつもお話を読ませていただいて号泣させて頂いています。つらい過去もみんなと共であれば前に進める、そんな話を書きたいと日々精進中です！ (2013年1月23日 18時) (レス) id: 75d4746b37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むつき
| 作成日時：2012年12月30日 17時
