夏祭り5 ページ30
ゆきside
カリッ
りんご飴を1口噛じる。
甘い。
零「美味しいかえ?」
『うん!とっても。』
零さんは優しく微笑んでみかん飴を食べた。
『美味しい?』
零「うむ。美味しいぞい。ゆきも1口食べるかえ?」
『うん。』
零さんに食べさせてもらった。
カリッ
林檎とは違う酸味と甘味が口の中に広がった。
『美味しいね。』
ニッコリと笑ってみせた。
『私のも食べる?』
零さんはこくりと頷いて口を開けた。
今度は私が食べさせてあげた。
零「甘くて美味じゃ。これはゆきに食べさせてもらったからかのう。」
平然とした顔でサラッとそういうことを言う。
しかもよく考えてみれば関節キス…
顔が赤くなるのがわかった。
零「関節キスだとか考えてるのかえ?」
図星すぎて何も言えなくなる。
『なんで零さんはそんなに平然としていられるの…?』
これだと私だけ意識してるみたい。
零「そんな風に見えておるのかえ?我輩も結構意識しとるんじゃけど…」
びっくりした。
あまり表に出さない人ではあるが、そこまで意識されてると思っていなかった。
『そうなんだ…良かった。私だけ意識してるみたいだったから。』
零「そんなことないぞい。特に今日のゆきは大人っぽくってその…我輩、色気で倒れてしまいそうじゃ…////」
顔を赤く染めて言う姿に少しだけキュンとした。
零「そんなことより我輩、関節キスじゃなくて直接キスしたいんじゃが。」
『えっ!?』
急すぎるし何せここは外だ。
人目があるでしょう!
『帰ってからじゃダメ?』
零「帰ってからでもいいんじゃけど、今したいのじゃ。」
『でも、ここ外だし…』
零「恥ずかしいのかえ?見せつけてやれば良かろう。」
零さんってこういう時には大胆になる。
『うぅ……』
言い返す言葉を見つけられずにいると顎に手を添えられ、零さんの顔の方へ向かせられた。
所謂、顎クイと言うやつ。
零「いいかえ?」
ここまでやっておいても許可は取ろうとする。
お祭りという非日常も相まって頷いてしまった。
零さんは微笑んだ後ゆっくりと顔を近づけてきた。
私も反射的に零さんの顔が近づくにつれゆっくりと瞳を閉じた。
私の瞳が閉じきったと同時に唇に柔らかく冷たい零さんの唇が重なった。
チュッ
『んっ…』
触れるだけの軽いキスだったがお祭りの高揚感を煽るには十分だった。
唇が離れていくと同時にゆっくりと瞳を開くと零さんは微笑んでいて、少し頬が赤く染っているようにも見えた。
つられて私も微笑んだ。
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菜梨沙(プロフ) - こちらこそありがうございました! (2021年12月17日 22時) (レス) id: 599078c8b4 (このIDを非表示/違反報告)
リザ - 確認しました!ありがとうございました! (2021年12月17日 21時) (レス) id: 7d40fe1e08 (このIDを非表示/違反報告)
菜梨沙(プロフ) - 申請承諾させて頂きました。こちらこそよろしくお願い致します! (2021年12月16日 7時) (レス) id: 599078c8b4 (このIDを非表示/違反報告)
リザ - たった今申請させていただきました!不束ですけど、よろしくお願いいたします! (2021年12月14日 23時) (レス) id: e5970c383e (このIDを非表示/違反報告)
リザ - こちらこそよろしくお願いいたします! (2021年12月14日 22時) (レス) id: eca4b22de3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作成日時:2021年12月5日 17時