柱最強の女_第9章

−５３０−手紙_冨岡義勇 ページ30

冨岡 義勇 殿



この手紙を読んでいるという事はきっと


私はこの世に、皆の元に居ないと言う事だね


まず初めに、君達を置いて逝ってしまうのを


どうか許して欲しい


冨岡くんと初めて会ったのは柱合会議の時だな


クールで表情が変わらず冷静な君は


何処か私と似ていて親近感があったんだよ


言葉足らずで誤解されやすい君は


柱の中で誰より仲間思いな人間だと私は知ってる


姉を、友人を亡くし笑えなくなった君は


一人で抱え込んで考えてしまうからずっと心配だった


けど炭治郎と話して意思が固まったと教えてくれた時


とっても安心した、良かったって


冨岡くん、君は優しい人だ。仲間を思い泣ける人だ


そんな君が心から幸せになれるよう祈っているよ


君と仲間になれて良かった、ありがとう




無常 A







┈┈┈┈┈┈┈






冨岡の瞳が涙の膜を張る


瞬きすれば零れる涙


寡黙で言葉足らずの自分を一番に理解してくれた人


自分なんかよりしっかりして芯の通った人









義勇｢俺は…(貴方にも)…幸せになって欲しかった…｣









ここでも言葉足らずになってしまう冨岡


そんな冨岡の言葉をクスリと笑う声




A｢相変わらず言葉足らずだなぁ、ありがとう｣＿




つい最近まで聞いていた声なのに


酷く懐かしく感じる声


言葉が足りずとも汲み取ってくれた無常は


冨岡にとって話しやすい人だったのかもしれない









義勇｢必ず…貴方の分まで、(しのぶを)…幸せにしてみせる｣









やっぱり言葉が足らない冨岡の言葉に


また一つクスリと笑い声が響いた

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