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No side



中々戻ってこない炭治郎と無常を呼びに

善逸が庭へとやってくる

そこには縁側に座る炭治郎と寄りかかる無常

二人に近づくと一つの心音しか聞こえない





善逸「炭治郎…」


炭治郎「善逸…」


善逸「Aさんは…?」


炭治郎「さっき…眠ったよ…」


善逸「ッ…そ…か…クズッ…早いなぁ…ッ…」


炭治郎「沢山…頑張ったから…」


善逸「連れて行ってあげよう、皆の所に」


炭治郎「ああ…」





善逸は無常を横抱きにして抱き上げる

その無常の手を炭治郎は優しく右手で包んだ

そして皆の居る居間へと向かい襖を開ける




天元「遅いじゃねぇか三人と……も…」


杏寿郎「遅かったな!して、何故無常少女は目を閉じてるんだ?何故竈門少年も我妻少年も泣いているんだ」







二人の声にワイワイとした声が止まる

視線の先には穏やかに微笑み目を閉じる無常を

抱き抱えて涙を零す善逸と手を握り涙を堪える炭治郎

その姿を見て一同は一瞬で理解した

胡蝶は立ち上がり二人に近づく





しのぶ「善逸くん、Aさんをこちらへ…」


善逸「はい…」


しのぶ「皆さんも…こちらへ…」






胡蝶の促しに皆は立ち上がり

隣に敷いてある布団へと集まる

善逸はゆっくりと無常を寝かせると

炭治郎の横へと座る

胡蝶は聴診器を取り出し無常の胸に当てる

耳に届く音は何も無くて胡蝶の瞳からは

大粒の涙が零れ落ちる

それを見た甘露寺の目からも涙が零れる



ガラッ…




無一郎「すみません、遅れまし…た…ねぇ、どうして…無常さん、寝てるの…?」


炭治郎「……」


無一郎「炭治郎…?ねぇ…どうして…?」


天元「時透、無常はもう…」


無一郎「嘘…だ……だって昨日まで…」


天元「さっきだ…」


無一郎「…無常さん…」






遅れて来た時透は膝から崩れ落ちる

そんな時透の背中を不死川は優しく撫でた

そして胡蝶は聴診器を外し無常の手を

腹の上で組ませるようにすると少し後ろに下がる







しのぶ「ッ……Aさんの…脈と息が止まりました…っ…」


蜜璃「Aさんっ…」


禰豆子「グスッ…うぅ…うっ…」









春の暖かい風が吹く季節、桜の花びらが舞う中で


皆に見守られながら無常はこの世を後にした


無常の最後に見た景色は楽しく笑う皆と


自分の為に日の呼吸を舞っていた


愛しい炭治郎の姿だった









大正○○年 ✕月△日 無常A 永眠_

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メア様推しの人 - これって現在パロ?てないんですか? (6月2日 16時) (レス) @page45 id: b2dbf5b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - たまたま見つけたお話でこんなに泣くとは思いませんでした!素敵な作品でとっても感動しました。続編見てきます! (5月23日 19時) (レス) @page45 id: 87b97eb6cb (このIDを非表示/違反報告)
らら - ほんっとに小説で泣けない私なのにぼろなきしちゃうくらい素晴らしい作品をありがとうです!!今から全力で現代読んできます!! (2022年1月1日 16時) (レス) @page45 id: 593b9c77e0 (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - ミラー☆さん» ミラー☆様!わぁぁぁ!ありがとうございます!手紙のところは私なりに力を入れた部分なので、そう言っていただけて本当嬉しいです!🙏✨こちらこそ、一章から九章まで読んでくださり、ありがとうございます! (2021年9月28日 1時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - 凛華さん» 凛華様!ほっ、本当ですか…!?めちゃくちゃ嬉しいです…😭そう言って頂き、本当にありがとうございます! (2021年9月28日 1時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Yu-grena | 作成日時:2021年2月13日 23時

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