人間はツンデレに弱い【gr】 ページ2
『Aー!』
「…なんです、グルッペン様」
俺が名前を呼ぶと、不機嫌そうに口をへの字にして返事をする。
此奴はA。俺の専属メイド兼メイド長だ。
『ゲームしないか?』
「しません」
仕事中です、と断るAを無理やりにでもゲームボードが置かれた机の前まで引っ張る。
そうすることにより、さらに不機嫌になり「グルッペ〜ン?」と様まで忘れる始末。
Aの性格はメンバー内ではトントンに似ている。真面目な故、サボろうとするとすぐ機嫌を悪くするのだ。
まぁ、それが人間臭くて面白いんやけどな
「しないって言ってますよね…?」
『ワンゲームで終わる終わる』
「そのワンゲーム何時間かかると思ってるん?」
たまに敬語が抜け、関西弁になるA。
目の前に置かれているのは陣取りゲーム。まぁ、あれだ。Hoiのアナログバージョン。
俺はその問いに対して、5時間あったら終わるって!と言うとしばかれた。
俺、総統やぞ…
「1人でどうぞ」
『NPCおらんのにどうしろと…』
「1人でも総統様なら楽しめるんとちゃいます?」
『雑やなぁ…』
俺は駒を指でクルクルと回しながら、スタスタと自分の仕事場に戻っていくAの背中を眺める。
「早くグルッペン様も作業してください」
『…』
「…はぁ、遊びたいんやったらはよ仕事終わらせたらええやろ」
『!』
Aは呆れたように机に肘をついていた。けれど、その顔をよく見たら少し顔が赤い。
これは俺だけが知ってることだが、彼女は少しツンデレ気質。たまにこうして、赤く染めた顔を見ると口角角が上がる。
「なに笑ってるんです…」
『いやぁ、Aさん見てると面白いなーって』
「馬鹿にされてます?」
『してませんよ?』
俺が折れ、席に戻り作業をしていると、Aはあとでトントン様とかオスマン様も呼んでやりましょうよ、と言い出した。
ゲームがしたいのは俺だけじゃなかったらしい。
『そうやな、折角ならひとらんと大先生、コネシマも呼ぼうぜ』
「騒がしくなりそうですね」
その後、この戦争は結局全員の仕事が終わった夜中、俺の部屋で始まった。
始めてから1時間、戦争が活発化し始め、プレイヤー達の声量が上がり、寝ていた他のメンバーからうるさいと苦情の嵐を受けたのは言うまでもない。
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雪村(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさん、コメントありがとうございます。emさんは1番優しい世界感を重視して書いたのでそう言って頂けて嬉しいです!ほんとですか、それは良かったです...!本当に最後までご愛読ありがとうございました。またどこかで出会えましたら嬉しいです...! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - みかげさん» みかげさん、コメントありがとうございます。わ、shoさんの作品を最高と言って貰えてとても嬉しいです!優しい心遣いもありがとうございます...!これからも楽しく投稿していきたいと思います! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - 伶奈さん» 怜奈さん、更新楽しみにしてくださいましてありがとうございました!それと同時に返信返せず申し訳ありませんでした。最後まで楽しんで頂けましたら幸いです…! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - emの短編とても素敵でした!短編ちゃうなってところひとつもありませんでしたよ!これからも楽しみにしてます!頑張ってください (2021年3月20日 21時) (レス) id: 0dab1fec32 (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - shoさんの短編最高でした!!今後の作品も楽しみにしてます!作者様のペースで、で大丈夫ですので頑張って下さい!! (2021年3月20日 21時) (レス) id: 7631caac1d (このIDを非表示/違反報告)
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