賑やか、楽しいヒーロー達と。【流星隊】

１９：おそろい流星隊 ページ19

「A殿っ、見て見て！」

「お、金魚だー！忍ちゃんが獲ったの？」

「深海殿がいっぱい獲ってくれたでござるよ！」



そう言って無邪気に笑う忍ちゃんの手には、
紐で吊るされる金魚の袋。

嬉しそうに奏汰先輩に感謝を述べる彼は、本当に小学生みたいだ。



「あれ、他の2人は？」

「姉御〜！」
「A先輩！」



遠くから騒がしく走ってくるのは間違いない、
今探していた鉄虎くんと翠くん。

彼らもまた何かを持ち嬉しそうに私に駆け寄る。



「姉御！」
「A先輩！」

「「どーぞ！」」



珍しく翠くんまでもが張り切っているので、なんだろうと興味津々に手に渡されたものを見た。



「あ、かわいい…」

「これ俺らが射的で取ったんス！赤、青、黄、緑、黒、オレンジ、白、ピンク…とかいろいろあったんスけど、流星隊の色＋オレンジ！」

「オレンジはA先輩の分です…！」



手にぽふんと乗ったものは小さなマスコット。

ニコちゃんマークがついた可愛らしい星型のマスコットだった。



「先輩たちもどうぞ」

「ん？プレゼントか？ありがとうな！」

「ありがとうございます…♪」



皆それぞれのカラーを持ち、私はそれ以外のオレンジで。

いわゆる『お揃い』というもの。



「私も、いいの？」

「いいのって…むしろ先輩だけないなんておかしいでしょ」

「姉御は遠慮しなくていいんスよ〜！」



よぎった不安はすぐに掻き消された。

手のひらにちょこんと置かれたマスコットを、
大事に大事に握りしめる。



「ありがとーね！」

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