十四振目「疑問」 ページ16
貴「………っひぃぃぃぃぃぃ待って待って心臓止まるかと思った今剣様に……ま、まさかの…かの有名な天下五剣が一振り…三日月宗近様にまでお会い出来るなんて………え、何私明日人生終わる…?」
さっきまでの堂々とした雰囲気は何処へやらと言わんばかりに脱力してその場にべしょ、と倒れ伏せる
舞「決着はお預けかぁ、ま、しゃーないか、次会った時は仕留めるとか言ってたけどさせるかってーの、俺がいる限り主にはかすり傷一つだって付けさせてたまるか」
むすっとした表情で飛び付いてくる舞鶴、くそ可愛いなほんとにもう我が愛刀は((
鶴「君、気分の浮き沈みが激し過ぎやしないか」
鶴丸は何か言ってるけど気にしなーい←
貴「そういえば鶴丸…今更なんだけどずっと私達と一緒にいるけど…それって要は、さ、あの、その、この本丸の刀剣からすれば…敵、になるんだよ…?……いいの?」
鶴「本当に今更な話だな、はなから俺はそれを覚悟の上で君らを助けたんだが…君を主として、仕えるに相応しいと、俺自身がそう判断した、だから俺は君らと共に有る、それとも何かい?俺が居ると何か不満でも?」
いたずらっ子のようにニヤニヤと笑う鶴丸に私はもう何も言えなくなった
と、同時に嬉しくもあった
認めてもらえた、先祖様の傑作たるお刀様に
その確固たる事実がどうしようもなく、嬉しかった
貴「…ううん、そっか、ありがとう鶴丸、…私達はこの本丸の事を全然知らない、だから…この本丸を立て直すにあたって、正直鶴丸に頼る事が凄く多くなると思うんだけど…」
そう、私達はここに来たばかり、この本丸の事で知っている事と言えばここの刀剣達は人間を憎らしく思い、見つかれば殺られる、ということぐらいで、建物の構造はおろか、この本丸にどれだけの刀剣がいるかを示す刀帳も恐らくここの刀剣の誰かがやったんだろう、刃物でズタボロに切り裂かれ、とてもではないが読めたものでは無かった
そうなるとそんな私達が頼れるのはこの本丸で唯一人間に対しそこまでの嫌悪を持たない鶴丸だけだった
鶴「お安い御用さ、気になる事があれば何でも聞いてくれ、答えれる範囲であれば答えよう」
しかしそんな不安や心配も全く要らなかった様だ
快く鶴丸は協力を引き受けてくれた
なので私は真っ先に気になったことを聞いてみる事にした
十五振目「この本丸について」→←十三振目「青き月」鶴丸side
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作者名:蝉時雨 | 作成日時:2019年9月15日 15時