頼むから勉強させろ［番外編］【朔間凛月】 (ページ15)

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さっさと行ってしまおう。

衝撃を受けて呆然とした頭では、そんなことしか考えられなかった。

本当は一般人立ち入り禁止区域だし、止めなくちゃダメなんだろうけど…

生徒会の人とかに連絡すれば大丈夫かな。

と思っていた矢先。

「先輩っ、あの、後ろ花壇なのでっ…！」

「なに、そんな言い訳で逃げられると思ってんの？」

「違いま…きゃっ！」

『ちょっ、ちょっと！！！』

「「え…？」」

『……あっ、』

……や、やっちまったーーーーー！！！！

女子が花壇に倒れこんだ瞬間、思わず出てきてしまった。

嘘やんもう戻れねぇ……

腹をくくって注意だけでもしておこう。

『…っあの、ここ、一般人立ち入り禁止なので！

…そ、そういうのは、ご自宅などの誰にも迷惑をかけない場所でお願いします！！』

ではっ！と踵を返し、その場から去ろうとした。

……が、

「ちょっと待ちなよ子猫ちゃん。」

『……あ"？』

やっべえ思わずカチンときて口悪くなった。

『ん"んっ、なんですか？』

「君さあ、今の見た？」

『見たから注意したんですけど……』

「なんで？恋人の俺らがどこでなにしようが自由じゃない？」

『人に迷惑をかけないなら私だってなにも言いませんよ。でもここは他校です。場を弁えてください。

……それに、あなたの彼女さんが踏み潰したあの花は、私の友達が大事に育ててた花なんです。

これを迷惑と言わずになんと言うんですか？』

「それはあいつが悪いだけで俺は悪くないっしょ？

いるんだよねぇ…こういう、注意するっていうのを理由に俺目当てで近づいてくる女。」

『……ん？』

ちょっと待て。よくわからない。

「結局は嫉妬でしょ？自分勝手な感情で人の自由を制限する奴こそ、子猫ちゃんが言う『迷惑』なんじゃないの？」

………………。

『……嘘でしょ。』

「え？なに？何か文句あんの？」

文句あんのって、そんなの………

『大っ有りだわこのクズ！！！！！！』

「……っぐぁ…！？」

あまりにムカついたので急所を蹴り上げてしまった。

反省も後悔もしてないけどね！！！

『あんたみたいなクズに一言言っておくわ。』

胸ぐらを掴んで、無理矢理私と目を合わせさせる。

『耳の穴かっっぽじって聞け。』

滑稽な男を前に、私は大きく息を吸い込んだ。