太陽と月の恋事情【あんスタ】

二人のシンデレラ　1 ページ6

名前はカタカナでお願いします！




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舞踏会。




そんな単語を聞くと、大体の人は行きたくなるだろう。




おめかしして、ケーキを食べたり、踊ったり、初めて知り合った人と話したり……




でも、今回の舞踏会はただの舞踏会じゃない。




北のホクト王子、




南のマコト王子、




東のスバル王子、




西のマオ王子。




その東西南北全ての王子が10年に一度集結するという、大きな舞踏会だ。




きっと、行きたくない人なんていない。




私も、実は行きたい。




隣のアンズも、今日がその日だと知っていてうずうずしている。




………けれど。




「ほらほら、さっさと掃除しなさい！」



「ただでさえ居候させてあげてるんだから！

これくらい当たり前にできなきゃねぇ？」




「まったく、姉妹揃って出来損ないよね。」




A「……はい。すみません。」




私とアンズは、ここの家の居候。




舞踏会どころか、外にすら出してもらえない。




出るとしたら買い物するときくらいだ。




「ねえお母様！今日の舞踏会私も行ってもいいかしら？」




「私も行きたいわ！」




「しょうがないわねぇ……

二人は特別に連れていってあげるわ。

ちゃんとドレスを着て、おめかししましょうね？」




きゃっきゃと騒ぐ親子は、そのまま私達を無視して去って行った。




アンズ「あああもう舞踏会行きたいいぃ！

Aもそう思わない！？

舞踏会だよ！？しかも東西南北の王子が全員集まるんだよ！？」




A「私だって行きたいよ。

……でも私達、ドレスも持ってないし、居候だから外に出してもらえないし。

それに、今から走っても間に合うわけないよ。」




アンズ「でもなぁ……

うあああ！東のスバル王子に会いたいよおぉ！」




A「アンズ、スバル王子が好きなの？」




アンズ「うん！一目見た時からビビッときた！

だから舞踏会行きたいんだよ。

でもやっぱ無理なのかなぁ……？」




なんだかかわいそうになってきた。




私も、これといって気になっている王子なんていないけど。




でも、どこかで聞いた話がある。




貧しくて恵まれない女の子が、ある時舞踏会に行って王子と結ばれた話。




題名すら忘れているけど、この話が私は忘れられないんだ。




私もそんなふうになってみたい。




……なんて。




叶わぬ望みを心で唱えた瞬間。




辺りに強い光が灯った。

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