初デート 4 ページ5
なんとなく気まずい空気が流れているまま、私と真緒は買い物を終えた。
一日中歩いて流石に疲れたので、近くの公園で休むことに。
……今、渡すべきかな。
ベンチに座ると、隣に真緒も座る。
A「……真緒？」
衣更「……ん？」
A「はい。」
衣更「……え？何これ？」
A「プレゼントだけど……
覚えてない？今日真緒の誕生日だよ？」
衣更「………あ、そっか。」
本気で忘れていたみたいだ。
衣更「……え、じゃあお前、今日このためにいろんな店廻ってたの？」
A「……うん。大体……というか100％このため。」
衣更「マジか……」
そう言うと、真緒はパーカーのフードを被る。
A「どうしたの？……嫌だった？」
衣更「違う。嬉しいだけ。」
ぶっきらぼうに言う割に、フードからちらっと見える真緒の頬は赤い。
それがなんだか面白くて、思わずにやけてしまった。
衣更「笑うなよ。……開けていい？」
A「うん。」
一旦フードを取った真緒は、プレゼントの包みを丁寧に剥がしていく。
すると小さな箱が出てきて、その中にはネックレスがある。
エメラルドの小さなダイヤがついた指輪と、その穴に紐が通されたネックレス。
指輪としても、ネックレスとしても利用できるらしい。
衣更「うわ、綺麗……」
A「え、ほんと？
嬉しい？喜んでくれた？」
衣更「嬉しいし喜んでるよ。
ありがとな。」
ふわっと笑う真緒を見て、私の鼓動は高鳴る。
A「ごめん。羞恥心でいたたまれない。
飲み物買ってくる。」
衣更「正直なのは認める。
でも行かせないからな。」
A「え？……うわっ。」
ぐいっと腕を引かれたと思ったら、目の前には真緒の顔。
衣更「今日のお前の行動と言い、今の発言と言い……
俺だって、いつまでも余裕じゃないんだよ。」
A「………へぇ。」
衣更「お前絶対意味わかってないだろ。」
A「いや、そんなことは……」
ない、と言おうとした唇を、真緒のそれによって塞がれた。
反射的に離れようかと思ったけど、真緒の手が私の後頭部を押さえて動けなくなる。
心拍数が、急激に上がった。
いよいよショートしそうになった時、ゆっくり真緒は離れた。
衣更「……お前、顔真っ赤。」
A「……うるさい。」
初デートは、初キスの日だった。
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さゆき - わーいつの間にか完結していらっしゃったんですね(TT)今から4.5年前3DSから読ませていただいてたのをさっき思い出し最後まで読みました(TT)♡もう最高です、共通テストで死んでたので癒されましたありがとうございます泣 (2022年1月17日 17時) (
レス) @page39 id: 995ab9826d (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 返信ありがとうございます。遅くなりましたが完結おめでとうございます！最後までドキドキしました！最後にあんずと一緒に変わった名字を言い合うのがすごく素敵でした！素晴らしい作品をありがとうございました！ (2018年8月7日 18時) (レス) id: 1e89af4ba2 (このIDを非表示/違反報告)
天野いろは(プロフ) - きさらさん» あ、ありがとうございます（？）私は家族愛が大好きなので、自然と作る話は家族系になるんですよね（笑）よかったら他のも見てみてください！あっ、できればでいいので！ (2018年1月2日 20時) (レス) id: 89b3d123d2 (このIDを非表示/違反報告)
きさら(プロフ) - あの、好きです。←こういう話最近少なくて……夢主ちゃんやあんずちゃんが可愛いかったです。あ、もちろん真緒くん、スバルくんも← (2018年1月2日 17時) (レス) id: 8e2a00dcdb (このIDを非表示/違反報告)
天野いろは(プロフ) - 七瀬さん» ありがとうございます！最後まで読んでくださったんですね！本当に感謝感激です！ (2018年1月2日 13時) (レス) id: 89b3d123d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天野いろは
| 作成日時：2017年5月7日 14時
