太陽と月の恋事情【あんスタ】

forever　5 ページ34

空港に着くと、見慣れた赤紫の髪が見えた。




A「真緒。手伝いとして来た。」




衣更「ああ、サンキュ。」




A「二人は？」




衣更「まだ来てねぇよ。少し遅れるってさ。」




A「そっか。」




ともあれ、間に合って良かった。




空港のお土産コーナーを見ていると、ふと和菓子の詰め合わせの箱が売られていることに気づく。




まんじゅうやら、羊羹やら、わらび餅やら…




思わず釘付けになる。




店員「試食してみますか？」




A「ぇあっ……あ、はい。」




美人な店員さんにいきなり話しかけられ、少し恥ずかしくなる。




でも欲には叶わなかった。




店員さんは今一番のオススメである、水羊羹を小さな皿に乗せて差し出してくれた。




楊枝を持って、口に運ぶ。




冬の寒さに負けぬ冷たさとみずみずしさに、思わず顔を綻ばせる。




店員「お好きなんですか？」




A「…はい。和菓子は、全般的に。」




店員「喜んでいただけて何よりです。」




衣更「A！」




A「あ、真緒……って痛っ。」




衣更「お前はいきなりいなくなりすぎなんだよ！この年で迷子とかほんとやめてくれ。」




A「あ、ごめん。」




そういえば、真緒を置いてきたんだっけか。




店員「あら、夫婦仲良くお買い物ですか？」




A「ふ……！？」




夫婦……！？




そう見えるのか……？




衣更「今は恋人ですよ。」




店員「ふふっ。ごめんなさい。からかってしまって。

あ、そろそろ次の飛行機が到着しますよ。」




A「あ、本当だ。ありがとうございます。」




店員さんにお礼を言って、私達は移動した。









……あれ？




なんであの店員さん、私達が次の飛行機を待ってること、知ってたんだろう？

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