自由人 5 ページ7
翌日。
校門の前に昨日の四人組がいた。何故。
………誰かを待っている？
きっとそう。
そうだよ。うん。
昨日会ったのは偶然なんだから。
気分転換に「妄想税」でも歌おう。
『あの子もいいな、あの子もいいな♪
頭の中で、いいことしてる。』
？「ねぇ、ちょっといい？」
違う。私じゃない。無視に限る。
『あなたはそれで、満足ですか？
叶えたいとか、思いませんか♪』
？「『よく言った私っ、偉い！今日のごちそうはチョコレートよっ！』
って独り言言ってた一ノ瀬Aちゃん。」
『！？』
なぜに私の名前を！？
思わず振り返ってしまった。
？「やっぱり！この子だよ、昨日俺達を助けてくれた子！」
？「こいつ、よく噂されてる奴じゃねーか？」
？「ああ、入学式で爆笑したっていう？」
？「それ以外にも結構やらかしてるらしいぞ。」
なんだなんだなんだ！？
なんか私の周りでいろいろ話してるんですけど！？
か、帰っていい？いいよね！？
私はなにも知らない、見てないから！
そ〜っと抜けようと試みるけど、腕で行く手を阻まれた。
ドンッと音がなる。
………ん？「ドンッ」……？
後ろを見ると、あらびっくり。
wall(壁)があるじゃないですかー！
……って笑い事じゃない！
これ「壁ドン」じゃん！巷で噂の壁ドンじゃん！
それを初体験しちゃったよ私！
15才で！
こんな茶髪くせっ毛でチャラそうな人に！
心の中は大騒ぎ。
外見は………
＿＿＿＿真顔。
緊張？知らない人に壁ドンされてもドキドキとか生まれないわ。
確かにイケメンだけどもね。
………ていうか、
『誰ですか。』
これが一番聞きたい。切実に。
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作者名：紺野いろは
| 作成日時：2016年12月26日 18時
