自由人 45 ページ47
準備が終わって、確認も終わった時は、もう日付が変わりそうな時刻だった。
………起きていよう。
眠いけど、バスで寝ればいい。
私はバックに入れておいた本(暇つぶし用)を取り出して、ひたすら時間が過ぎるのを待っていた。
・
約1時間30分後。
『そろそろ行こっかなー?』
本をしまい、バックを持って家を出る。
『行ってきまーす………』
今は午前2時だからね。さすがに大声出さないからね。
辺りはほとんど真っ暗だ。
………ちょっと怖いかも。
いやいやいやそんなことはない!!
いつも私家で一人じゃないの!怖いものなんてないはずよっ!
気を強く持って!弱いなんて私らしくないわ!
行くのよ、進むのよAっ!!
意を決して、家から離れた。
夏といえど、やはり東北では肌寒い。
長ジャー着ておいてよかった。
幅3mほどの狭い通路に、私の足音がやけに響く。
さっきは大丈夫と強がったけど、やっぱり怖い。
しかも、さっきまでなかったはずの足音が僅かに聞こえる。
それも複数。
なにそれ怖いんですけど。
速歩きにしても、どんどん近づいてくるように聞こえる。
待って本当に怖いから勘弁して。
いよいよ走ろうかと思ったとき、後ろから腕を捕まれた。
『…………!?』
叫ぼうとしたとき、更に手で口も塞がれた。
頭がパニックを起こす。
『〜〜〜っ!!』
嫌だ、怖い、嫌だ!
いのり「落ち着いてA!」
いのりが、なるべく小声で私に話しかける。
その言葉ではっとなった。
抵抗をやめて、改めて後ろを見る。
私を押さえ付けていたのは、国見だった。
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作者名:紺野いろは | 作成日時:2016年12月26日 18時