検索窓
今日:107 hit、昨日:9 hit、合計:119,588 hit

第25話『行かないでなんて言えないから』 ページ27

.

ある日の昼頃。


次の任務は、長期になる可能性があるため、産屋敷邸に挨拶に来ていた。


御館様はいらっしゃらないが、お庭に立って、一礼した。





「...出陣?」


背後から声をかけられ、振り向くと。


『無一郎くんですか。新しく、鬼の情報が入ったので。』


無「長期なの?」


『分かりませんが、そうなるかもしれません。向かわせた隊士がやられたらしくて。』


無「...十二鬼月かな。」


『おそらくそうでしょう。上弦かもしれませんし。』


無「一人で行くの?」


『いえ。今回は煉獄さんと向かいます。』


無「.....大丈夫?」


『何がですか...?』





無一郎君は、何かを言いたそうに近寄ってきて。


きゅっ。と私の羽織を掴んだ。





無「...この任務、Aが行かなきゃだめなの」


いつもの伏し目がちな瞳が、今は一段となんだか寂しそうに見える。


『どうしたんですか。突然。』


無「.....絶対ちゃんと帰ってきてよ。」





無一郎君からこんな言葉が出るとは思っていなかったので、少し目を見開いた。


無「...Aが行くなら大丈夫だとは思ってるけど。...なんか」『無一郎君。』


『そんな顔しないでください。』



少し笑いながら言っても、無一郎君はじっと私の顔を見つめるだけで。

羽織は掴まれたままだ。


何か言おうとしても、言うことができない。そんな顔をしてる。


『...大丈夫ですよ。』


無一郎君の頭を軽く撫でると、羽織を掴んでいた手は離された。


そして今度は、無一郎君の頭を撫でる私の手を掴んだ。


無「僕のこと子供扱いしてない?」


『していないですよ。.....それでは。』


少し不服そうな無一郎君に背を向ける。





無「...........気をつけてね。」









.

第26話『煉獄さん』→←第24話『惹き付けられる』



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
140人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

はくせつ(白雪) - 更新早くてスゴいです! (2021年5月23日 20時) (レス) id: b087d08761 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ゆきゆきさん» ゆきゆき様、コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しく思います!頑張ります(^^) (2021年5月7日 11時) (レス) id: c795cb1005 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきゆき - こんにちは。とても面白そうな作品ですね。更新楽しみにしてます。頑張ってくださいね。 (2021年5月4日 17時) (レス) id: b087d08761 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひまわり | 作成日時:2021年4月30日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。