第25話『行かないでなんて言えないから』 ページ27
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ある日の昼頃。
次の任務は、長期になる可能性があるため、産屋敷邸に挨拶に来ていた。
御館様はいらっしゃらないが、お庭に立って、一礼した。
「...出陣?」
背後から声をかけられ、振り向くと。
『無一郎くんですか。新しく、鬼の情報が入ったので。』
無「長期なの?」
『分かりませんが、そうなるかもしれません。向かわせた隊士がやられたらしくて。』
無「...十二鬼月かな。」
『おそらくそうでしょう。上弦かもしれませんし。』
無「一人で行くの?」
『いえ。今回は煉獄さんと向かいます。』
無「.....大丈夫?」
『何がですか...?』
無一郎君は、何かを言いたそうに近寄ってきて。
きゅっ。と私の羽織を掴んだ。
無「...この任務、Aが行かなきゃだめなの」
いつもの伏し目がちな瞳が、今は一段となんだか寂しそうに見える。
『どうしたんですか。突然。』
無「.....絶対ちゃんと帰ってきてよ。」
無一郎君からこんな言葉が出るとは思っていなかったので、少し目を見開いた。
無「...Aが行くなら大丈夫だとは思ってるけど。...なんか」『無一郎君。』
『そんな顔しないでください。』
少し笑いながら言っても、無一郎君はじっと私の顔を見つめるだけで。
羽織は掴まれたままだ。
何か言おうとしても、言うことができない。そんな顔をしてる。
『...大丈夫ですよ。』
無一郎君の頭を軽く撫でると、羽織を掴んでいた手は離された。
そして今度は、無一郎君の頭を撫でる私の手を掴んだ。
無「僕のこと子供扱いしてない?」
『していないですよ。.....それでは。』
少し不服そうな無一郎君に背を向ける。
無「...........気をつけてね。」
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はくせつ(白雪) - 更新早くてスゴいです! (2021年5月23日 20時) (レス) id: b087d08761 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ゆきゆきさん» ゆきゆき様、コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しく思います!頑張ります(^^) (2021年5月7日 11時) (レス) id: c795cb1005 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきゆき - こんにちは。とても面白そうな作品ですね。更新楽しみにしてます。頑張ってくださいね。 (2021年5月4日 17時) (レス) id: b087d08761 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひまわり | 作成日時:2021年4月30日 23時