第13話『ほんの一瞬』 ページ15
炭治郎side
炭「貴方はッ...鬼以上に...心が鬼だッ!!!」
叫んだ時にはもう遅かった。
急いで撤回しようとしたけれど、Aさんは表情ひとつ変えずに、黙って俺を見つめている。
読めない。何を考えているのか、わからない。
それでも変わらずこの人からは今もとてつもなく優しい匂いが漂っていて、不思議だ。
こんなに優しい匂いがするのに、どうして分かってくれないんだ...。
宇「おいお前。その辺にしねぇと...」
不「テメェ...もうイイ。テメェが鬼を連れようがもう関係ねェ。ぶっ殺す!!!」
他の柱の人達から、怒りの匂いがする。
けれど、そんな中でもAさんの表情は、
“なんとでも言えばいい”
そんなふうに言っている気がした。
炭「ッ...もし貴方に妹がいて...鬼になったら...大事な妹が鬼にされたらッ!!貴方は切れるのかッ?!...俺の立場になったらッ『...斬れる。』
俺と正反対な静かな声色だった。
そして突然Aさんから妙な匂いが漂った。それに、物凄く強い。酷く寂しそうな匂いだ。
炭「な、んで...そんな簡単に、言えるんですか...冷たいよッ!...貴方は...冷た
冨「いい加減にしろッ!!黙れと言っている!!!」
一瞬、場が凍ったように、冨岡さんのその圧に誰も何も発せなくなった。
突然怒鳴った冨岡さん。
その声に我に返り、Aさんに向かって酷い言葉ばかり吐いてしまった自分に気づく。
そんな中、静かに口を開いたのは、Aさんだった。
『...そうね、私、雪柱だもの。きっと、ここにいる誰よりも冷たい人間。鬼よりも心は鬼...君の言う通りですね。』
真っ青な瞳は曇っている。先程までの無表情は少し崩れ、なんだか寂しそうに見えた。
まるで、自分を咎めるような、そんな言い方だった。
炭「あっ...あの...」
煉「うむ!竈門少年!君は少し、Aに言い過ぎだ!!」
伊黒「小僧。それ以上口を動かすようなら二度と喋れなくしてやろうか。それとも呼吸すら出来なくしてやろうか。そもそもお前はAと話せるような分際ではないのだぞ」
無「謝って。今すぐに。」
蜜「そっ、そうねっ...皆少し熱くなりすぎだわっ!」
何故...一斉にAさんを庇うんだ...?
心がモヤモヤする。
Aさんの、怒るでも悲しむでもない、酷く辛そうな匂いがしたのは何故だ?
一瞬見せた寂しそうな顔は、なんだ?
そして、何故冨岡さんが怒鳴ったんだ...?
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はくせつ(白雪) - 更新早くてスゴいです! (2021年5月23日 20時) (レス) id: b087d08761 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ゆきゆきさん» ゆきゆき様、コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しく思います!頑張ります(^^) (2021年5月7日 11時) (レス) id: c795cb1005 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきゆき - こんにちは。とても面白そうな作品ですね。更新楽しみにしてます。頑張ってくださいね。 (2021年5月4日 17時) (レス) id: b087d08761 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひまわり | 作成日時:2021年4月30日 23時